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就職面接を左右 志望動機は採用者のニーズを盛り込め

(2)志望動機編

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NIKKEI STYLE

元お笑い芸人で、現在は人材研修などのコンサルティングを手掛ける中北朋宏さんが講師役となって、就活生に面接の極意をフィードバックする連載「面接道場」。第2回のテーマは志望動機だ。就職面接の定番質問だが、業界や企業の理解度も問われ、うまく説明できないと悩む学生も多い。




今回、挑戦するのは都内の大学院生で、コンサル企業を志望する男子学生Bさん。すでにインターンの面接をいくつか受けているが、「話が長いせいか、面接官の反応があまり良くない」という。中北さんが面接官になりきって質問した。

<就活生Bさんの志望動機>
私が3年間続けているアルバイト先の飲食店で、新人の定着率が低く、業務に支障が出てしまっている時期がありました。私はこの問題を解決するべく、原因の分析をしてみました。私が新人だった頃の経験などを踏まえて仮説を立て、新人や辞めたスタッフにヒアリングして解決に向けた素案を作成しました。その素案と社員の方の教育方針を擦り合わせて施策を導入した結果、問題が解決しただけでなくお客様の満足度も向上しました。私はこの経験を踏まえ、一つの課題に対して多角的に考察し、最適解を導くことに非常にやりがいを感じるようになりました。そのため、課題に関わる多くのステークホルダーからの視点に加え、様々なルールや技術を考慮したうえで最適解を導出するコンサルティングという業種に大きく関心を持ち、志望しました。

中北 その飲食店の課題を解決するために何をしたの?

就活生B 2つ課題がありまして、1つは新人が仕事を覚えられる環境が整っていないということと、もう1つがその悩みを打ち明けられる場所がないということだと考えました。1つ目の問題を解決するために、まず新人向けの用語集の作成をすることと、先輩スタッフの新人への指導方法の統一を行いました。そして、2つ目についてはOJT制度を導入して相談しやすい環境を整えました。

中北 うーん、なるほど。それで弊社を志望した理由ってなんでしたっけ?

就活生B この経験から、様々なステークホルダーと、IT・法務・税務など多角的な見地から考えて、課題解決を図りたいというふうに考えました。そしてコンサルの中でも御社を志望する理由は、まず自身が現在IoTの研究をしておりまして、IT分野に力を入れている御社で仕事をしたいということと、かなり海外展開をされていて、今後海外で力を発揮したいという私の軸も加味し、志望しました。

中北 入社後はどんなことをしたいですか。5年後、10年後はどんなイメージですか。

就活生B まず自分の専攻であるIT分野で、専門知識を増やしていきたいと考えています。そして専門性を持つことができるようになりましたら、5年目ではシニアコンサルタントとして実際にプロジェクトを任される立場になっていたいです。プロジェクトを任されるにあたっては、1つの専門性だけでなく、多角的な意見が必要になってくると考えていて、幅広い知識を身につけていきたいです。

中北 幅広い知識を学びたいというお話ですが、それだと弊社に貢献していただけるというようなイメージが湧かないのですが。

就活生B 初めの数年間だけではあまり発揮できないと考えています。最初の5年間で幅広い知識、深い知識を有することによって、それ以降、お客様に最大の発揮ができると考えています。

中北 じゃあ弊社は5年間パフォーマンスを発揮しない人材を雇うということなんだ?

就活生B そうですね……5年後以降に実際に御社に対して、それ以上の対価を返せると思っています。

話すテンポは相手の顔も確認しながら

中北 ありがとうございました。やってみて、どうでした?

就活生B 何年後に何をやるというのに対してあまり面接で着目されたことがなかったので、そこを答えていくので精いっぱいでした……。

中北 まず話し方については、笑顔だし、人柄が良さそうだなと思いました。これはすごくプラス。ただ、テンポが一定なんですよね。前半はこちらが質問するまで、自分が用意したことを淡々としゃべっている。私が途中で少し首をかしげたりしたと思いますが、それにもかかわらず、一方的に話すことはあまり親切ではないと思います。そういうときは、「ここまで大丈夫そうですか?」って相手に確認をしてもいいと思います。

そして肝心の内容についてですが、飲食店のエピソードと志望動機がつながっているように聞こえないんです。飲食店でやったことと、志望動機の最後の海外に行きたいって、全然関係ないじゃないですか。ITの深い見識とおっしゃいましたが、アルバイト先の改善策の中でも全然その知見が出てきていない。

お笑いも就職面接も コツは相手の聞きたいコト話す

原体験と志望動機がリンクしているというのは、例えばこんなかんじです。私が面接指導したある芸人さんで、お金を扱う会社の面接を受けた方がいました。親が経営者で、子供の頃はお金に対してはすごく汚いものという印象があった。自分は夢を追いかけてお笑い芸人になりました。しかし結果的には全然稼げなかった。借金を重ねて夢を諦めてしまう同期がいるのも目の当たりにした。だからこそ、自分が改めてお金というものに向き合って、夢を諦めなくてもいい世の中にしたい、だからお金に関わる仕事がしたい、ということを面接で話していました。

就活生B なるほど……どうやったら自分の中でつなげられるかまだ見えてこないのですが、何かコツはありますか。

中北 お笑い芸人って、どうやったら人が笑ってくれるかって、ずっと相手のことを考えるんです。笑わせろとは言いません。相手を「主語」にして考えてみて。企業はどんな人材をほしがってますか? つまりシンプルに、企業が求めている人物像と、この原体験がリンクすればいいんです。

Bさんの志望企業が求めているポイントが仮に、ロジカルであること、タフさ、やり切る力、ITへの関心、だったとします。そこから逆算して、そういう力を感じさせるエピソードを交ぜて作っていくという感じです。現状では、ただの飲食店の話なんですよ。

「ビッグワード」を多用するとリアルさが伝わらない

就活生B このエピソードを使わない方がいいのでしょうか?

中北 面接官がどう捉えるかはわからないけど、今のままだと、飲食店とうちってあまり関係ないよねって、はじかれるリスクはあると思います。例えばBさんの得意分野がITなら、IT研究で培ったこんな視点を使ってバイト先の課題を解決したとか、つなげようと思えばつなげられるやん。

飲食店の話をもっと印象的にしたいなら、数字などファクト(事実)を入れた方がいいです。私なら、「飲食店で離職率を何%下げる施策に成功しました」と結論から話しますね。

言葉遣いについてもう一つ言うと、全体通してあまり具体的じゃなくて、「多角的な知見」「最適解を導く」など、いわゆるビッグワードというものを多用しているのが気になりました。ビッグワードばかりで構成すると、結局何をしたのか、何がしたいのかがリアルに伝わってこなくてもったいないですね。

就活生B 入社後にやりたいことの部分は特にうまく答えられませんでした。

中北 Bさんは5年かけて1人前になると言っているんです。確かにコンサルって5年ぐらいかかるんですよね。ただ、5年間とにかく給料もらいながら学び続けたいですって言われると採用する気にはならない。就職するということは、サービスを受ける側から、提供する側に変わるんです。学ぶというよりは、何か価値を発揮したいということを、貢献したいということを言っていかないといけないですよね。

就活生B 今の段階で貢献できるとは企業側も思っていない気がするのですが、貢献したいって言ってしまって大丈夫なのでしょうか……?

中北 いいと思いますよ。バランスは必要で、5年で社長になりたいですって言われたら、やばいやつ来たなって思うけど(笑)。「知見を広げたい」っていう言葉をなぜ私がそんなにネガティブに捉えているかというと、ちょっと受け身に聞こえてしまう。やっぱり企業からしてみれば、主体的に、自律的に動ける人材がほしいですよね。

(文・構成 安田亜紀代)

中北朋宏
浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。トリオを解散後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、制度設計や採用などを担当。2018年に人材研修コンサルティングなどを手掛ける株式会社 俺を設立し、社長就任。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

著者 : 中北 朋宏
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,650円 (税込み)

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