割安含み資産株 ハゲタカ目線で選ぶと…(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

写真はイメージ=123RF
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今回は「ハゲタカ」(買収ファンド)になったつもりで含み資産株を点検してみたいと思います。2005年ころに日本株市場で乱舞したハゲタカは最近メッキリ話題になることが少なくなりましたが、多くの含み資産株がごく割安に放置されている今こそ、復習しておきたい視点です。ハゲタカが去り、純資産価値と比べて割安とわかっていても注目する投資家がいないということは、チャンスでもあります。

ブーム渦中にある不動産市場

まず不動産市場からみてみましょう。アベノミクスが始まった13年以降、景気回復と異次元金融緩和を背景に不動産需給が引き締まりました。特に都市部は今、不動産ブームの様相です。下のグラフは都心5区(東京都千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)平均のオフィスビル賃料、空室率の推移です(出所は三鬼商事)。

有価証券報告書などを基に分析すると、不動産市況の上昇は大手不動産や電鉄、倉庫などの業種の企業が保有する賃貸不動産に多額の含み益をもたらしています。特に恩恵が大きいのが三菱地所、三井不動産、住友不動産、JR東日本の賃貸不動産保有上位4社です。例えばトップの三菱地所の賃貸不動産の含み益は19年3月期に3.9兆円に迫っています。5年前と比較すると1.9倍に拡大しています。

なのに上値の重い不動産株

ところが、不動産株の値動きをみるとブームにもかかわらず、13年に高値をつけた後、下落基調です。これは不動産ブームのピークアウトが意識されているためと思います。足元の業績は好調でも積極的な投資が入りにくくなっています。

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