ブラックホールの次は「宇宙人を探す(笑)」

存在を証明できたのは、ブラックホールを理解するための新しい時代の1ページ目にすぎない。次の課題はブラックホールからガスが噴出する「ジェット」の撮影だ。「来年からは望遠鏡が9カ所11台に増え、ジェットが見え始める期待も高まります」。別のブラックホールの撮影にも挑んでおり、1~2年の間に次の写真を出せるようチャレンジを続ける。

水沢VLBI観測所の敷地内にある旧臨時緯度観測所本館。精工舎(現セイコーホールディングス)の古い観測時計がある 撮影:筒井義昭

長期的には動画撮影を目指している。ガスがぐるぐる回りながら落ちて、一部がジェットとして噴出されるような動きが激しいブラックホールの世界を動画で見てみたい。「ブラックホールはあと10年楽しめそう。これからはその先のテーマを考えて種をまきたい。冗談で宇宙人を探す、と周囲には言っているのですけど」

研究者は成果を伝えるだけでなく、社会的要請に応えなければと思い、スーツを着て積極的に講演活動に動く。「税金を使っているのですからきちんと価値を伝え、理解してもらうことが大事だと今の研究者はよく分かっています」。ひと月は月の満ち欠けの時間。人間は宇宙から時間を計ることを学んだ。「天文学は人類の生活の基本です。私たちは宇宙とつながっているのです」

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

本間希樹
1971年米国生まれ。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了。専門は超高分解能電波観測による銀河系天文学。ブラックホールの国際研究チームに日本の責任者として所属

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