軽とじ・フラット仕様 いつのまに進化、最新ホチキス納富廉邦のステーショナリー進化形/ホチキス最前線(上)

HD-10TL/プロのためのホチキス

マックス「HD-10TL」800円。通称、道具ホチキス。マックスのロングセラーにしてホチキスのスタンダード「HD-10」をベースにした、プロの現場用ホチキスだ

パッケージに「道具ホッチキス」と書かれていることからも分かるように、ホチキスを道具として使う人のために作られた、プロの仕事用ホチキスが、「HD-10TL」だ。大量にホチキスを使うビジネスシーンでの使いやすさを徹底的に追求した製品になっている。

通常のホチキスの場合、装填できる針は100発なのに対して、150発を装填可能。

針は150発装填できる。一般的なホチキスは100発が普通なので、1.5倍の装填数。しかも針の交換も楽にできる

例えば、軽とじ機能も、従来とは違い「可変倍力」という機構を搭載。これは、テコの原理を使うため、どうしても握り込むストロークが長くなる軽とじ機能を、針が紙に当たってからとじ終わるまでにだけ働くようにしたもの。この機構のおかげで、握り込むストロークが短くなる。大量にとじる場合、ストロークが短いほど作業は楽になるわけで、まさに仕事としての使用を考えた機構といえるだろう。

針を打つ場所がホチキス本体のかなり先端に寄っているのは、ブリスターパックのような立体的な箱状のものの端をとじて留めることができるようにという設計。また、とじるものをより深く差し込むことができるように、あえてフラットクリンチ機能を搭載せず、ホチキスの口を広く大きくしているのだ。

縦に立てて置いて、逆手で持ってとじやすいデザインもうまい。福袋などのような、袋の上部をとじる作業には逆手持ちが便利なのだ。

とじるポイントが本体のかなり前面に寄っているのにも注目。細い場所でも、深い場所でもとじられるフレキシビリティーも「プロ用」というにふさわしい。また縦置きできる逆手持ちしやすいデザインで、袋などをどんどんとじるのに効率的

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この3製品が、今のホチキスを代表するものだと思う。まずは、この中から用途に合う製品を使ってみてほしい。驚くのは、このアイデアと技術の粋が注ぎ込まれた製品が、どれもとても安価で買えてしまうこと。日本のホチキスのすごさを、十分に味わってほしい。

さらに現在のホチキスは多様な商品がある。「据え置き」「芯無し」「電動」など、後編「紙針・回転・ガイド付き 個性派ホチキスを一気に紹介」ではひと味違ったホチキスを紹介する。

ホチキス最前線
軽とじ・フラット… 最新ホチキスは「普通にすごい」
紙針・回転・ガイド付き 個性派ホチキスを一気に紹介

納富廉邦
佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。
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