寒い季節に芯から温まる 高速道のカレーメニュー
連載 高速道路グルメ「カレー」編
あちこちから初雪の便りも聞こえてきた初冬、朝晩の冷え込みもだいぶきびしくなってきた。高速道路を走るクルマは快適な車内温度を維持できるとはいえ、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)での休憩時にも、体が芯から温まるような食事がほしくなる。そこで今回は、東京近郊の高速道路で食べられる注目のカレーメニューをピックアップした。まずは東京への帰り道で立ち寄りやすい「上り」のSA・PAから紹介しよう。※記事中の価格はいずれも2019年11月現在の税込み価格
上河内SA「あさや特製和牛カレー」
栃木県宇都宮市にある東北自動車道・上河内SA(上り)のレストラン「あさや」では、鬼怒川温泉「あさやホテル」の人気メニューである特製和牛カレーが食べられる。
あさやホテルは創業から130年以上という鬼怒川温泉でも老舗の旅館だ。現在のあさやホテル総料理長がディナーバイキングを導入する際に、洋食メニューのひとつとして和牛カレーが誕生した。上河内SA(上り)で食べられるカレーもあさやホテルと同じもので、SAに届けられたカレーソースは丸1日煮込んだ上で提供されている。
和牛カレーは数あるメニューのなかでも人気が高く、ディナーバイキング開始当時からの様子を知る上河内SA(上り)支配人の藤田昭弘氏によれば「あさやホテルのディナータイムには、ほとんどのテーブルにカレーが並ぶ」ほどだという。
SA/PAのカレーというと、すでにごはんにカレーがかかって出てくる印象があったが、ここではカレーソースをポットに入れて配膳する。30種類のスパイスやハーブが用いられているそうで、スパイシーな香りが鼻をくすぐり食欲がそそられた。ちなみにライスも宇都宮産米を使用している。
ソースを含むと口に広がる甘味とうま味は、長時間煮込まれた和牛から溶け出したものだという。牛肉は舌の力だけでもほぐれていくほど軟らかい。2~3センチほどのゴロッとした大きさのものが数個入っているので満足感も高かった。
ポットから注いだときに香ったスパイスは、和牛の甘味・うま味に続いてやってくる。辛口というわけでもなく、後味にも強くは残らない。長く和食を作り続けてきたというあさやホテル総料理長のオリジナルレシピで作られたカレーは、牛肉の味わいとスパイスやハーブのバランスが絶妙で、辛さが苦手という人でもおいしく食べられると感じた。
八ヶ岳PA「清里カレー 厚切りベーコン&ストラスブルス」
山梨県北杜市にある中央自動車道・八ヶ岳PA(上り)のスナックコーナーでは、PAの看板メニューである「清里カレー」に、人気の厚切りベーコンとソーセージをトッピングしたカレーが食べられる。ベーコンは「八ヶ岳燻製工房」の職人による手作りで、ソーセージはハーブが特徴の「ストラスブルス」だ。
湾岸幕張PA「千葉のグリーンカレー」
千葉県千葉市にある東関東自動車道・湾岸幕張PA(上り)のフードコートでは、千葉県産の野菜と14種類のスパイスを使ったグリーンカレーが食べられる。使われているのは地元産のピーマン、ほうれん草、セラーノ。トッピングとして千葉県のブランド豚「いも豚」のメンチカツがのっている。
愛鷹PA「たかぼーカレー」
ここからは「下り」方面のカレーメニューだ。静岡県沼津市にある東名高速道路・愛鷹PA(下り)のスナックコーナーでは、PAのオリジナルキャラ「たかぼー」をモチーフにしたカレーが食べられる。頭が富士山、体がナスというたかぼーの姿は、特製辛味ソースで味付けした豚肉がトッピングされたごはんと、オリジナルの野菜カレーで表現。
三芳PA「三芳スタミナカレー」
埼玉県入間郡三芳町にある関越自動車道・三芳PA(下り)の「キッチンおはやし」では、スタミナ重視のメガ盛りカレーが食べられる。320グラムの焼き肉とセイメイファームの生卵がトッピングされたカレーは、総重量1.2キログラムとボリューム満点。大盛りカレーが好きな人は挑戦してみては?
横川SA「福膳カレーセット」
群馬県安中市にある上信越自動車道・横川SA(下り)のレストランでは、豚バラを使った「福膳カレー」が食べられる。レシピは料理長のオリジナルで、辛口だがマイルドに仕上げられている。
1979年、長野県生まれ。国立長野工業高等専門学校・電子制御工学科を卒業後、ものづくり・接客業を経てライターの道へ。わが子の成長を見守るかたわら、信州佐久からモバイル情報を発信中。NIKKEI STYLEでは「格安SIM最前線」も連載中。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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