買いより売りが難しい 資産運用の「出口戦略」とは?

分散売却には他にも方法があるので使い分けたい(表B)。「定額売却」は毎回、同じ金額が手元に入る点がわかりやすいが、相場変動によって売り切りまでの期間は伸び縮みする。「定率売却」は、資産残高の一定割合ずつを取り崩していく方法。相場が悪くて残高が目減りしたときには引き出し額は少なくなるものの、売り切りまでの時間はその分延びやすい。

分散売却の考え方はリタイア後の生活設計にも生かせる。フィンウェル研究所の野尻哲史所長は「60歳以降の期間を前半と後半に分けて取り崩し方を考えたい」と提案する。そのイメージを図Cに示した。

前半の60~74歳は「資産を取り崩しながら運用を続ける時代」だ。例えば毎年4%ずつ定率で引き出し、年率3%で運用する。まだ挽回のきくこの時期は、適度な運用リスクを取って収益を上乗せしつつ、定率で引き出すことにより資産寿命を延ばす。後半の75歳以降は「使う時代」。相場変動の影響を受けないよう運用はやめ、生活費に充てる分を定額で引き出す。

老後の取り崩し

図にはないが、各年の引き出し額を確認すると60歳時が約56万円。その後は残高の減少に伴い減り、74歳時に約48万円となる。75歳以降は定額の約60万円だ。前半は取り崩し額が次第に減り、運用効果もあって減り方は緩やかになる。

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