転職先の年収、前職並みはなぜ難しい まず手取り確認ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

お金を得る「仕事」と心理的充足を得る「使命」

橘玲さんの著書『幸福の「資本」論』によると、次のような現象が起こるそうです。

・一般的に年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
・金融資産は1億円までは、資産の額が増えるほど幸福度が増す。
・収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる。

経済学用語でいう「限界効用逓減の法則」と同じ原理のようです。

注)限界効用逓減の法則 財の消費量が増えるにつれて、財の追加消費分から得られる効用は次第に小さくなる、とする考え方。例えば、車を持っていない家族が1台の車を得た場合と、更にもう1台手に入れた状況を比較すると、最初の1台を手に入れた時のほうが満足度が高いというようなケースで語られることが多い。

また、この本の中では、人にはそれぞれ、金融資本(経済)と社会資本(人間関係)と人間資本(自分のもつスキルや価値観)という3つの資本が幸福感の土台となっていて、このうちの一つでも安定していれば幸福であるということも指摘されています。

私自身、多くの転職者の前後を見てきた経験から、この本のメッセージに強く賛同します。年収などの経済条件で得られる満足以外に、「自分の能力が必要とされている状態」や「自分の努力が誰かを幸せにしている効力感」「自分が本質的にやりたいと思うことに取り組める充実感」などが、どれほど人間に心理的な充足をもたらすかを目の当たりにしてきました。

ぜひこのような観点も、今後の仕事人生を構築していく際の参考としていただきたいと思います。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら