経費立て替えで貯金増えない 経営者夫婦の家計再建策家計再生コンサルタント 横山光昭

写真はイメージ=PIXTA
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「老後のお金のため方を知りたい」と家計相談に来られたのは、夫(38)と小さな会社を経営しているMさん(37)。保育園に通う娘(4)との3人暮らしです。

Mさん夫婦の経営する会社は夫が代表取締役として業務の軸となり、Mさんも経理担当の取締役で、他に従業員が2人います。3年前に購入したマイホーム(自宅)に併設しています。会社を設立するために少々無理をして購入したマイホームで、頭金を捻出したため、貯金が極端に少なくなってしまいました。

経営は順調なのに家計の黒字が残らない

それでも事業は順調に波に乗り、収入が安定してきたため、将来への準備を始めたいと思われたようです。毎月の家計の収支は、11万円ほどの黒字が出せるまでになっていましたが、その余剰となるはずだった金額がほぼ残っておらず、貯金は60万円ほどしかありません。それでも、その毎月の黒字を生かして、個人型確定拠出年金(イデコ)や積み立て型の少額投資非課税制度のつみたてNISAといった最近話題の投資方法を実践していくと順調に老後資金ができるのではないか、また、貯金も増やして住宅ローンの繰り上げ返済もしていかなければならないと考えているようです。

確かに確実に黒字部分が余剰金として残っているのであれば、そういったMさん夫婦が考えていることも可能なこととなりますが、貯金が増えていない状況であるなら、その余剰金は「何かに使ってしまっている」と捉え、その原因が何かを探ることが今すべきことであるのは間違いありません。そこでまず、具体的な状況を聞いていきました。

毎月の収入は夫婦合わせて手取りが64万円ほど。経営者であるMさん夫婦はボーナスをもらわないことにしています。つまり、日々の生活費も、臨時で支払うものも、全て毎月の収入から計画していかなくてはならないということです。

毎月の生活にかかる支出は全体的にメタボになっているようです。会社設立までは会社員だった妻が忙しく、食事などにお金がかかりがちだったという事情は聞いていましたが、食費以外も少々支出が多めです。ですが、それでも支出は収入の中に納まり、53万円ほどです。そうなると、計算上では約11万円が余剰金として残るはずですが、それがいつの間にかなくなっているというのが現状のようです。何に使ってしまっているのかを探るために、毎月の支出以外の状況について伺いました。

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