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画像はイメージ =PIXTA

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あなたはいつまで働きたいですか? 昭和初期、定年は55歳でした。しかし「努力義務」として60歳定年が示されたのが1986年。その8年後の1994年に60歳定年が「完全義務」化されました。70歳定年が「努力義務」化された今年(2019年)の8年後はどうなるのか気になるところです。で、あなたはいつまで働きますか?

知命どころか惑いだらけの50代

人事コンサルタントとして多くの会社の人事制度を設計したり、運用をお手伝いしたりしていると、今後のキャリアについて相談にのってほしい、と言われることがあります。特に最近は、50代になったから、という理由で相談をもちかけられることが増えました。

相談の内容はシンプルですが切実です。

「私はいつまで会社にいられるでしょうか」

「役職定年があると聞きましたが、具体的にはどういうものでしょうか」

「60歳で定年ですよね。退職金と再雇用の関係はどうなるんでしょう」

「再雇用されたあと、給与はいくらになって、どんな仕事をするんですか」

不安ともとれるようなそんな相談に対して、私はこんな風にたずねかえします。

「働けるのなら何歳まで働きたいですか?」

それに対する答えは、「体が元気なうちは働き続けたいですね」というものがほとんどです。

けれども、質問をこう変えると、途端に答えが変わります。

「働かなくても良いだけの収入や財産があれば、いつまで働きたいですか?」

この質問に対しての答えは「すぐにでも仕事を辞める」という人もいれば「それでも働き続けたい」という人まで様々です。

働く場所を取り上げられることに対して人は喪失感を持ちます。けれども、自分で選べるのなら、働く場所を放棄する選択をする人もいるわけです。これを固い言葉に置き換えるなら、労働の権利と義務、と言えるのではないでしょうか。

権利があるのなら、それは維持したい。とりあげられたくはない。けれども、もし義務でないのなら、放棄したい場合もある。このようなややこしい人間の心理を見透かしたような法律の条文があります。それが日本国憲法第二十七条です。

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