2020年食品・飲料ヒット予測 ブレイク寸前の12商品
2020年、食品・飲料分野でどんな商品がヒットしそうなのか。日経トレンディ編集部が12商品・サービスを選び、3つ星で評価した。「モバイルオーダー」「ポストレモンサワー」が新キーワードとして登場しそうだ。
[★★☆]抹茶ハイ
インバウンドの抹茶人気を背景に、抹茶を使った酒もブレイク間近。宝酒造は19年6月から抹茶アルコール飲料を発売し、9月には「極上抹茶ハイ」を投入。同社は19年10月に「抹茶ハイフェスティバル」を協賛。ポストレモンサワーとして新市場創成を目指す。
[★☆☆]駄菓子専用日本酒
駄菓子に合わせて飲むことを前提とした日本酒「お菓子の居酒屋シリーズ」。19年9月には「都こんぶ」、「歌舞伎揚」などに加え、何と「チロルチョコ」まで登場した。「駄菓子はインバウンド需要が高い。さらに日本酒と合わせることで、より注目度が増すだろう」(三菱食品)
[★★☆]台湾フルーツティー
従来のフルーツフレーバーのフルーツティーとは違い、台湾式のお茶にそのまま果物を入れるのが特徴。大手グルメサイト「ぐるなび」では、このフルーツティーの検索数が昨年から11.1倍に増加。「一芳台湾水果茶」はすでに東京に5店舗、関西に1店舗を構える。台湾ブームに乗り、ますます拡大しそうだ。
[★★☆]熟成魚シート
うまみが増すといってじわじわはやりつつある「熟成魚」を、短期間でかつ安定的に作り出す日本発のフードテックが注目されている。明治大学と川崎北部市場水産仲卸協同組合の産官学連携による新製造技術「エイジングシート」を活用し、熟成魚のブランド化が展開されている。
[★☆☆]即食キヌア飯
伊藤忠食品は植物性食品のトレンドが来ると予測。19年10月発売の「DNABIO ヘルスコンシャスカップ キヌアスープ&ポモドリーニスープ」は、乾燥させた野菜とキヌアが入った即席スープで、キヌアがメイン食材のため腹持ちするのも魅力。機能性も加わった植物性食品が市民権を得そうだ。
[★☆☆]液体急速冷凍食品
冷凍機を扱うテクニカンは零下まで冷やしたアルコール液で食品を凍結させる「凍眠」という機器を開発。この技術で冷凍食品を作ると、解凍後も風味があまり変わらなくなるという。流通大手の伊藤忠食品は業務提携契約を締結し、商品の安定供給を目指す。
[★☆☆]フージンツリー
19年9月末開業のコレド室町テラスの「誠品生活日本橋」に台湾の人気料理店「フージンツリー」が日本初出店した。創業者の出身地、台南地方由来の高級食材が味わえる。「台湾人気が過熱し、台北には行ったことのある人が多くなった結果、次のブームの発信地は南下するだろう」(ぐるなび)。
[★☆☆]モバイルオーダーコーヒー
店外から注文することで待ち時間を無くすモバイルオーダー。テークアウトが多いカフェなどと相性が良く、専門店が今後増えそうだ。サントリーがボスブランドで展開する「TOUCH-AND-GO COFFEE」はLINEで事前注文し、ロッカーから受け取るだけ。出勤前でも行列に並ばずに済む。
[★★☆]レンジでふわもち!厚焼きたまご
ここ数年、京都の喫茶店を中心にブームとなっていた厚焼き卵を挟んだサンドイッチがセブン-イレブンで商品化された。ふっくらした食感の食パンとボリューミーな卵焼きの組み合わせは満足感が高い。レンジで加熱して食べる「レンジでふわもち!」を商品名に冠した加熱できるサンドイッチが多数発売されており、ランチの選択肢として根付きそうだ。
[★★☆]eggslut
「究極のエッグサンド」を提供するアメリカの行列店「eggslut」が日本初上陸。ロブスターロール専門店「LUKE'S」で行列を呼んだベイクルーズグループが手掛ける。現地同様のメニューを日本人の味覚に合わせてカスタムした。今後3年間で計3店舗を目指す。
[★★☆]「減塩」ソース焼きそば
ファミリーマートの注目は、減塩しょうゆや調理法変更などで、塩分を削減しつつも「ソースの味はしっかり感じられる」というソース焼きそば。日清が「カップヌードル ソルトオフ」を発売するなど、糖質オフの次は減塩に関心が高まる。シニアに選ばれそうだ。
[★☆☆]レジスタントスターチバー
ナチュラルローソンではプロテインバーに加えて、たんぱく質の吸収を助ける栄養素を含む食品を提供。「PROBIOTIC BAR」は、腸内環境を整えるレジスタントスターチや乳酸菌を含んだチョコバナナ味のバーだ。数年前にはやった「スーパー大麦」で注目されたレジスタントスターチが再度脚光を浴びる。
(写真/古立康三、小西範和)
[日経トレンディ2019年12月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界