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デジタルマーケティング関連の棚前の平台に類書と並べる(青山ブックセンター本店)

デジタルマーケティング関連の棚前の平台に類書と並べる(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れる準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。前回訪れたのは9月下旬。新刊への反応がいいのか、ベストセラー上位はかなり入れ替わっている。そんな中、書店員が注目するのは、日本でも人気の中国発のショートムービーアプリ「TikTok」の強さとその広がりから起きる変化を中国での実情をもとに分析した一冊だった。

中国で体験した驚きを本に

その本は黄未来『TikTok 最強のSNSは中国から生まれる』(ダイヤモンド社)。TikTokというアプリの魅力の分析を主軸に置きながら、それを生み出した北京字節跳動科技(バイトダンス)という企業、その背景にある中国のスタートアップ事情へと視野を広げ、今後の日本でどのような変化が起きるかを考察した内容だ。

本の略歴によれば、1989年生まれの黄氏は、中国・西安市生まれの日本育ちの女性で、早稲田大先進理工学部を卒業、三井物産に入社したというビジネスキャリアの持ち主だ。だが、18年三井物産を辞め、上海交通大学に経営学修士号(MBA)留学する。20年ぶりに戻った中国で出合ったのがTikTokの中国版「Douyin」だった。

日本では若者のアプリという印象が強いTikTokだが、中国版では「50代の大学教授や田舎に住む農家のおばあちゃん、屋台のお兄ちゃんなど、多種多様な人が、自分のリアルな生活を映し出していた」。これは動画革命が起きた後の光景であり、「『14億人が総ユーザーであり、総クリエイターでもある』という世界観が形成されていた」と著者は表現する。このことをブログに書いた。それが評判になり、加筆・再編集して生まれたのが本書だ。その後同氏はバイトダンスに入社するが、本書は入社前に個人的見解をまとめたものとのただし書きがある。

見えてきたインフルエンサー経済の世界

「テキスト・画像から動画へ」――SNS(交流サイト)の大きなトレンドの変化にTikTokはうまく乗っていると著者は見る。加えてTikTokは、次々とおすすめの動画を映し出していく「レコメンド機能」が強力。これも「検索からレコメンドへ」というトレンドにぴったり寄り添っているという。

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