■7位 西福寺 柿の坊(福島県下郷町)300ポイント
イスに座って仏の教え聞く

西福寺は浄土真宗の寺院。32年前に誕生した宿坊は、初めての人でも堅苦しくないようペンション形式にした。朝のお勤めでは座禅を組まず、寺院の一室でイスに座って聞くことができる。お勤めには子供も参加でき、分かりやすいよう板書を使った説明などをしている。

宿坊の部屋にはテレビを置かず、「山の木々の自然をたくさん感じられそう」(田中ひろみさん)。地元の干物などを使った郷土料理が味わえ、小さい子供には唐揚げなど食べやすい料理を加えた専用メニューも用意する。

(1)8000円~(2)会津鉄道芦ノ牧温泉南駅から送迎車(予約制)で約3分(3)http://www3.plala.or.jp/kakinobo/

■8位 一畑薬師 一畑山コテージ(島根県出雲市)280ポイント
和尚に厳しさリクエスト

一畑薬師の境内にあるコテージ風の宿坊。眼下には宍道湖が広がる。寺で子供と一緒に座禅を組んだり、写経をしたりできる。幼稚園の座禅体験なども受け入れている和尚にリクエストすれば、指導の厳しさを調節してくれるという。

「ロフト付きのコテージを一棟借りる形式で、子供の声なども気にならない」(柳沢さん)。食材を持ち込むことができ、別料金で地元の島根和牛を使った「牛しゃぶ」などの材料も注文できる。朝食では寺の朝がゆが食べられる。

(1)1万2000円~(2)一畑電車・一畑口駅からタクシーで約10分(3)http://ichibata.jp/cottage/

■9位 安来清水寺 紅葉館(島根県安来市)250ポイント
定番の精進料理、子供向けも

587年に開かれた安来清水寺の境内にある旅館。本堂では朝のお勤めのほか、写経や座禅などの指導が受けられ、子供も参加できる。写経や座禅は12月1日~3月31日までは休みとなる。

精進料理は定番のゴマ豆腐に加え、大豆などを材料にした「精進うなぎ」のかば焼き、ワラビ粉でつくったイカのお造り風など「おいしくて量もたっぷり」(富本さん)。前日までに予約をすれば炊き込みご飯や唐揚げなどがついた「お子様ランチ」が食べられる。

(1)1万1990円~(2)JR山陰線安来駅からタクシーで約10分(3)https://www.kouyoukan.co.jp/index.html

■10位 秋葉総本殿可睡斎(静岡県袋井市)190ポイント
10万坪の境内で本格修行

1401年に開かれた曹洞宗の寺院で、徳川家康にゆかりがある。座禅や写経などができる。「本格的な体験ができるので、お行儀も学べそう」(田中さん)

事前に相談すれば、お守り作りや境内の掃除など、僧侶の仕事体験もできる。10万坪と広い境内には子供が楽しめるスタンプラリーが30カ所以上あり、親子で散策する宿泊客も。夏は花火ができるなど親子連れに優しい。大人も精進料理教室などに参加でき、親子それぞれ楽しめそうだ。仏像が鎮座したトイレも「一見の価値あり」(鵜飼さん)。

(1)8000円~(2)JR東海道線袋井駅からバスで15分(3)http://www.kasuisai.or.jp/

ホテル感覚 気軽に参加

宿坊と聞くと、大広間に集団で泊まり、規律に縛られた堅苦しいイメージがあるかもしれない。しかし、最近ではホテルのように快適な施設が増えてきた。堅苦しくないようにと、ペンションやコテージ風にした宿もある。塗り絵や分かりやすい解説など、親子向けのプランを用意している施設もある。

背景にあるのが寺社の経営問題だ。核家族化で檀家や氏子が減り、寺社を取り巻く環境は厳しい。良いお寺研究会代表理事の鵜飼秀徳さんは「資金調達のため、信徒以外でも気軽に泊まれる快適な宿坊が増えている」と話す。

とはいえやはり寺社は宗教施設。「ある程度、意味が分かるくらいの年齢になってから参加した方がいい」(寺旅研究家の吉田さらささん)

10月の台風19号で被害を受けたため掲載できなかったが、「モダン宿坊 禅の湯」(静岡県河津町)も多くの専門家から高い評価を得た。アットホームな雰囲気で、温泉や家族風呂などが人気という。宿泊は現在も受け付けている。

■ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。施設名(所在地)。(1)宿泊料金(大人1人、1泊2食、税込み。時期などにより変動)(2)アクセス(3)公式サイト。1位の外観写真はJTB提供、ぬり絵は荒牧寛人撮影、3位は三浦秀行撮影、ほかは各施設提供。

■調査の方法 専門家の協力で、親子で宿坊体験ができる施設を35カ所リストアップ。専門家に「初めてでも気軽に参加できる」「親子におすすめ」などの観点で1位から10位まで順位付けをしてもらい、編集部で集計した。(荒牧寛人)

■今週の専門家 ▽鵜飼秀徳(一般社団法人良いお寺研究会代表理事)▽王麗華(子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」)▽坂原弘康(神社仏閣専門家)▽田中ひろみ(仏像イラストレーター)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽堀内克彦(宿坊研究会代表)▽村田和子(家族deたびいく代表)▽柳沢美樹子(旅LABO本郷代表)▽山田祐子(ツーリズムワイズラボ代表)▽吉田さらさ(寺旅研究家)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年11月23日付]

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