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ハムでスープで丸焼きで食べ尽くす スペイン豚肉三昧

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NIKKEI STYLE

午後遅めにランチをして、夕食は午後9時から、その前にはタパスをつまんでバルのはしご。スペインは食を日々楽しむ国だ。中でも、世界3大ハムの一つ、「ハモン・セラーノ」をはじめ、捨てるところがないというほど豚肉を使った料理が豊富にそろう。首都マドリードやバルセロナを回り、スペイン人が愛する豚肉グルメを味わう旅をご紹介する。

マドリードの市場では、塊肉やソーセージ、つるしの骨付きハムが数多く並び、塊で買う人は多い。骨付きハムをその場でコルタドールという切り手に薄くそいでもらい、味見をしながら「もうちょっと脂がのっている部分がいいわ」と選んで買う人も。豚肉もハムも、部位によって味が異なることをよく知っている。

骨付きの豚肉はいいだしも取れる。ランチで食べたマドリードの伝統料理「コシード」は、骨付き豚肉のだしでベーコンのほか、ヒヨコ豆にキャベツ、セロリ、じゃがいもといった野菜をいろいろ入れて煮込んだスープだ。一口飲むと豚肉の旨みたっぷり、体が温まる。具だくさんで、これだけでおなかを満たせる。

ミシュラン一つ星を獲得したマドリードのレストラン「ラ・タスケリヤ」は、店名がタスカ(バー)とカスケリヤ(内臓)の造語という内臓料理のお店。もつ煮込みが出るのかと想像していたら、濃厚な海老味噌を豚ほほ肉のタコスにソースとしてかけていた。海と山の幸の内臓でこんな使い方が、と驚かされる料理が次々と出てくる。

後日、マドリードからカタルーニャ州バルセロナに向かい、郊外にあるコスタ・フード・ミート社の食肉加工工場を視察した。コスタ・フード・ミートはグループ全体の年間売り上げが8億ユーロ(960億円)に達する。見学用のジャンプスーツの下に着る服は昨日と異ならないとダメ。靴底の洗浄はもちろん、筆記用で持ち込むボールペンは金属探知機に反応する専用タイプと、衛生管理が徹底している。養豚から加工品までのトレーサビリティー(履歴管理)、養豚場のゆとりといったアニマルウェルフェア(動物福祉)、ソーラーパネルやふん尿再利用によるサスティナビリティー(持続可能性)も進めている。

見学後、工場でできたソーセージを食べた。熟成やスパイスの有無などによっていろいろな種類があり、「コスタ・ブラバ」と呼ばれるカタルーニャ州湾岸エリアのワインと合わせて、味の違いを楽しむことに。コゴージョという小さなレタスがピッタリくる。

中心街に戻る途中で、ローマ人によって築かれ、中世の面影を残す建物が並ぶジローナに立ち寄った。旧市街には、サンピエトロ大聖堂に次ぐ広さを誇るゴシック様式のジローナ大聖堂や、石畳の細い路地が続くユダヤ人街などの観光スポットがある。なにより街並みが美しく、何日か滞在したくなる。

しかも、世界のベストレストラン50の第1位に何度も輝いた「アル・サリェー・ダ・カン・ロカ」を生んだ美食の街でもある。新市街の広場にある人気レストラン「カーサ・マリエタ」で出たタパスは、チーズに生ハム、チョリソやサルチチョンなど数多くのソーセージを盛り合わせている。パンにニンニクと熟したトマトをすりつけ、塩とオリーブオイルをかけたパンコントマテも欠かせない。

ジローナからバルセロナは、高速電車だと40分ほど。バルセロナと言えば、世界遺産のサグラダ・ファミリアは必見だ。ITを駆使し、2026年の完成を見込んで急ピッチで建築が進む。残念ながら夜に到着したので、外からサグラダ・ファミリアを拝んだだけだった。当日の入場チケットは売り切れということが多く、早めに予約購入しておかないと見学できないこともあるそうだ。カタルーニャ独立を求めてのデモで閉鎖になったこともあり、見学には事前の確認をしっかりしたい。

豚肉グルメを巡るスペインの旅のフィナーレは、その名も「豚に首ったけ」いう意味の「ポーク・ボッジ・パル・トゥ(PORK…boig per tu)」という名のレストラン。天井からは豚のオブジェがぶら下がり、子豚の丸焼きコチニージョ・アサードをはじめ、豚のあらゆる部位を楽しめるお店だ。

前菜に生ハムやソーセージがずらりそろい、メインは、コチニージョ・アサードとアロッソ・モンターニュという鶏肉や豚肉ソーセージなどと米を炊き込んだ料理をチョイスした。コチニージョは、母豚のミルクのみで育った子豚を丸焼きにする。この店は生後28日以内の豚を使っており、皮はパリッとして香ばしく、身は軟らかくジューシーで、ミルキーな味わいすらする。アロッソ・モンターニュは肉類のよいだしがきいていておいしい。どこか懐かしい香りがすると思ったら「日本のしょうゆも味付けに入れている」ということだった。

豚肉をあますところなく料理してうまさを引き出すスペイン。マドリードとバルセロナの豚肉グルメ三昧の旅は、豚肉の新たな食べ方を教えてくれる旅でもあった。

小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員

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