コンタクトやITによるドライアイ 点眼薬で角膜守る

点眼薬はダメージを受けやすい角膜も保護する=PIXTA
点眼薬はダメージを受けやすい角膜も保護する=PIXTA

ドライアイなど目の不快な症状はIT機器の長時間利用や、コンタクトレンズの長時間装用、年齢とともに涙の量が減るといったことで生じる。特に角膜は目の最も外側にあるため、ダメージを受けやすい。角膜の保護にも有用なのが点眼薬で、近年は涙の量を増やす、涙の質を安定化するなど、目的別のものが充実してきている。医療現場で処方される点眼薬と市販薬の使い分け、点眼のコツなどを紹介する。

涙はただの水分ではない、その大切な機能とは

目がかすむ、乾く、ものがぼやける、ゴロゴロする、といった不快感が続く。それは角膜ダメージのサインかもしれない。

「角膜には神経が密に通っているため、少しゴミが入っただけでも違和感や強い痛みを感じる。しかし、思わず目をこするとさらに角膜に傷がついてしまうことがある。傷が広がり、本来透明な角膜が白濁すると、角膜から光がきちんと入らず視機能の低下が起きる。これは、曇りガラスのようになり、視界がかすむ状態だ。また、角膜感染症などの深刻な目の疾患につながるおそれもある」と、順天堂大学医学部附属静岡病院眼科の土至田宏先任准教授は言う。

涙は角膜を守るだけではない。「涙はただの水分ではなく、目に入ってくる光を屈折・透過させる角膜の働きをサポートし、目に入ったゴミや細菌などを洗い流す作用を果たす。また、角膜には透明性を維持するために血管が存在しないので、血液のかわりに涙も栄養分を供給している」と、土至田先任准教授は説明する。

涙は簡単に蒸発しないように3層構造をしている。目を潤し乾燥から守るのが、涙腺から分泌される「水層」。水層は角膜に必要な栄養素、たんぱく質なども含む。水層の表面には「油層」という膜があり、涙の蒸発を防ぐ。この油分はまつ毛の生え際付近にあるマイボーム腺から分泌される。そして、水分を角膜に定着させる接着剤の役割を持つのが、角膜上皮細胞と結膜の細胞(杯細胞)から出て、粘性を持つ「ムチン層」。「まばたきのたびに、このような役割を持つ均一な涙の膜がつくられ、角膜を守っている」(土至田先任准教授)

<涙は3層の膜になっている>

ところが、乾くなどして涙の層が均一でなくなると、角膜を守る機能が低下する。長時間のパソコン作業やスマートフォン操作、クルマの運転なども、まばたきの回数を減らして涙を行き渡りにくくし、角膜から水分を奪うのだ。

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