コンタクトやITによるドライアイ 点眼薬で角膜守る

ドライアイと角膜保護に役立つ点眼薬を表にまとめた。

【眼科で処方されるドライアイ・角膜保護用点眼薬】
●人工涙液点眼薬
生理食塩水と同等かそれに近い成分で、涙液の水分を補充する。目の乾きなどの自覚症状を軽減する。
●ヒアルロン酸入り点眼薬
保湿力を高めて角結膜に生じた傷の回復を促し、涙液の安定性を高める。ドライアイで処方される代表的な点眼薬。
●ムチンの産生を促す点眼薬
結膜にあるムチン産生細胞(杯細胞)に作用してムチンの分泌を促し、涙液中のムチンの量、質を正常化。レパミピド点眼薬とジクアホソルナトリウム点眼薬がある。
●涙液中の水分を増やす点眼薬
日本で開発された。結膜からの水分供給を促し、涙液中の水層を増やす。ジクアホソルナトリウム点眼薬が該当する。

【薬局やドラッグストアで手に入る市販医薬品のドライアイ・角膜保護用点眼薬】
●人工涙液点眼薬
眼科でも処方されるが、市販医薬品もある。基本となる成分は同じ。
●ビタミンA(レチノール)入り点眼薬
ムチン産生を促進し、目の表面の涙液の安定性を高める。さらに、角膜上皮細胞からのヒアルロン酸産生を促すことで、角膜の傷を修復。乾きなどによる疲れ目も改善。
●補酵素型ビタミンB2入り点眼薬
ビタミンB2の欠乏または代謝障害による角膜の傷の修復を促す。
●コンドロイチン硫酸エステルナトリウム入り点眼薬
角膜表層保護剤。角膜表面を保護し、水分を保持する機能を高めて涙の安定性を維持する。
※土至田先任准教授の監修で作成

「目の不調がある場合は、自分の判断で市販薬を選んでよしとせず、まず眼科で診断を受けてほしい。本人は単なる疲れ目やドライアイだろう、と思っていても、かすみ目の原因が白内障だったというケースや、光がまぶしいという方でぶどう膜炎など他の病気が見つかることもある。眼精疲労でも、その根本的な原因が老視であればニーズに合った矯正が必要で、目を使う作業距離に応じたメガネやコンタクトレンズなどによる、適切な屈折矯正を行うべきだ」と土至田先任准教授は言う。

なお、上記のビタミンA配合の点眼薬について、土至田先任准教授はドライアイ患者を対象にした試験で、ムチン産生が高まり、角膜上皮損傷が治癒することを確認したという。「涙を保持する下地であるムチン層の安定化と、角膜上皮細胞からのヒアルロン酸産生促進とによる相互作用が働き、角膜が修復されると考えている」(土至田先任准教授)

ドライアイ患者男女66名(平均年齢49歳)を対象に、ビタミンA配合点眼薬とプラセボ点眼薬(基剤のみでビタミンAなし)を1日6回、1回1滴、4週間点眼してもらい、角膜の傷の修復を評価した。その結果、ビタミンA点眼をした群は、角結膜上皮からのムチン欠損状態から有意に改善。また、自覚症状のうち、目のかすみが有意に改善した。 (データ:Drug Des Devel Ther. 2017 Jun 23;11:1871-1879. )

さらに、点眼薬の有効成分を正しく効かせるための点眼のコツを聞いた。

(1)下まぶたを指で下にひき、容器の先がまぶたの縁やまつげに触れないよう点眼する。

(2)真上から点眼薬をたらし、まぶたを閉じ、しばらく目をつぶって目頭を軽く押さえる。あふれた液はティッシュで拭き取る。

「点眼後、目をパチパチすると、上下の眼瞼(がんけん)の最も内側にある涙点から鼻涙管を経て内鼻道に点眼薬がポンプ作用で吸い出され、しまいには喉に流れてしまう。点眼薬の苦さを感じたことがある人も多いだろう。それを防ぐためには、目頭を指で圧迫しながら目を閉じること。点眼薬が鼻涙管の方に入りにくくなると同時に、目の表面に留まる量が増えて均一に行き渡りやすくなる」(土至田先任准教授)

(ライター 柳本操、イラスト 三弓素青)

土至田宏先任准教授
順天堂大学医学部附属静岡病院眼科

聖マリアンナ医科大学卒業、順天堂大学大学院修了。ルイジアナ州立大学留学を経て2014年より現職。ドライアイを中心とした角結膜疾患の発症機序を自律神経や生理活性物質などの生理学的側面から解明。動物モデルを使い、涙液やムチン分泌、角結膜上皮の創傷治癒効果などを検証している。
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