会社員の年末調整 天引きした税金の納め過ぎを還付所得税入門(2)

 複雑になったのね。

幸子 年末調整の書類も変わったのよ。17年分までは保険料控除と同じ書類に配偶者特別控除の申告分を記入していたけど、18年分からは2つの書類を分けることになったの。配偶者だけでなく世帯主も所得額の詳細を記入することになるなど、書き方も面倒になったわ。

良男 年末調整では「保険料控除申告書」も出すよね。

幸子 そう。お父さんは入院や手術に備える医療保険に入っているでしょ。「生命保険料控除」で最大4万円の控除を受けられるわ(新保険料の場合)。介護医療保険や個人年金保険にも入っていれば、合わせて最大12万円の生命保険料控除が受けられる。地震保険料も最大5万円の控除枠があるわ。

 ほかに年末調整で手続きできるものはあるの?

幸子 住宅ローン控除は1年目は確定申告が必要だけど、2年目以降は年末調整で必要書類を出せばOKよ。

■退職金や株売却も対象
青山学院大学教授・弁護士 木山泰嗣さん

所得税が源泉徴収されるのは会社員の毎月の給料だけではなく、ボーナスも対象です。退職一時金、公的年金、利子や配当、株式の売却益なども対象です。所得税と同じように住民税も通常、会社が天引きします。これを「特別徴収」といいます。住民税は所得税の年末調整や確定申告の結果、確定した前年の所得額に基づき、その年の税額が決まります。
源泉徴収されるものの中には、利子のように所得税15.315%、住民税5%が徴収されて課税関係が終わる「源泉分離課税」があります。また上場株式の売却益と配当のように証券会社の源泉徴収ありの特定口座で取引すれば、いったん源泉徴収されるものの、売却損と配当との損益通算で差し引き赤字になれば、自動的に源泉徴収された所得税が還付される仕組みもあります。(聞き手は後藤直久)

[日本経済新聞夕刊2019年11月20日付]

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