会社員の年末調整 天引きした税金の納め過ぎを還付所得税入門(2)

 源泉徴収する額はどう決めるの?

幸子 お給料から健康保険や厚生年金保険など社会保険料を差し引いた金額を基に、配偶者や子どもなど、控除対象の人数に応じた控除を適用して決めるのよ。例えば、お給料から社会保険料などを差し引いた額が30万円、配偶者など扶養親族の数が3人とすると、月額3510円の源泉所得税が天引きされる計算ね。国税庁が1年分の源泉所得税の月額表を提示するから、それに則して徴収するの。

良男 ということは、所得から控除できる生命保険料や地震保険料などは源泉所得税には反映されないということか。

幸子 その通り。毎月天引きされる所得税額はあくまで仮の額よ。辻・本郷税理士法人の浅野恵理税理士は「多くの場合、源泉所得税額は納め過ぎになっている」と言っているわ。

 その納め過ぎの状態を解消するのが年末調整なのね。

幸子 そういうこと。天引きされた所得税額と実際の税額を精算して、納め過ぎている税金があれば還付する。もっとも、「還付は自分の納めた源泉税の範囲内」(藤曲武美税理士)であることを覚えておいてね。

 年末調整しても確定申告は必要なのかな。

幸子 今度詳しく話すけど、確定申告が義務付けられている人とか、確定申告をしないと受けられない所得控除があるのよ。

良男 今年の年末調整で気をつけなきゃいけない制度変更などはあるの?

幸子 2018年分からの改正で今回は2回目だけど、配偶者控除と配偶者特別控除の仕組みが複雑なので、注意しておいた方がいいわね。

良男 ああ、確か昨年も同じことを聞いたような……。

幸子 この2つは所得控除で、一定要件を満たす配偶者がいる場合、課税所得から差し引くことができるの。17年分までは妻の年収が103万円を超えると夫は配偶者控除が受けられなくなって、141万円以上だと配偶者特別控除もなくなったの。18年分からは、妻の年収が150万円までは38万円の配偶者控除または配偶者特別控除が受けられ、150万円超201万6000円未満までは配偶者特別控除が受けられるようになったの。

良男 いい改正だな。

幸子 確かに控除の対象者が拡大して、中流層を中心に新たに300万世帯が減税になったそうよ。一方で、世帯主の年収が1120万円を超える世帯への適用は制限されたわ。例えば夫の年収が1120万円を超えると38万円の控除額が減り始めて、1220万円を超えればゼロ。要するに配偶者の所得条件だけでなく、世帯主の所得も加味して、控除が使えるかどうかや金額などを変えたわけ。

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