薬や運動で治らない膝痛 手術で以前の動き取り戻す40代以降の膝の痛み(下)

日経ヘルス

2019/12/16
写真はイメージ=PIXTA
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日経ヘルス

膝の痛みがセルフケアを続けても治まらず、普段の生活に支障を生じたりスポーツや旅行などを控えるようになったりすれば、早めに医師に診てもらおう。薬や運動などで改善しなければ、手術も選択肢に入ってくる。術後は活動性が大きく高まるという。

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前回の「『あれ…違和感』を自分でケア 筋力アップひざ痛体操」で紹介したようなセルフケアを続けても膝の痛みが治まらず、買い物、旅行、スポーツといった楽しみを見送ったり日常生活に不便を感じたりしたら早めの受診を考えよう。

(写真提供:岡崎教授)

変形性膝関節症の治療は、「まず消炎鎮痛効果のある薬やヒアルロン酸の注射、運動指導を3カ月ほど続け、改善すれば頻度を落とし経過を見る」と、岡崎教授は話す。O脚の程度によっては足の形や膝の状態に合ったインソールを室内外で装着することもある。受診者の約半数はこうした保存療法で軽快するという。

(図:三弓素青)

保存療法で改善が見られなかった場合は手術も視野に入れる。「自分の関節を残す骨切り術と、人工関節置換術があり、前者は軟骨がおおむね半分以上残っており50~60代の比較的若い人に勧められる」(岡崎教授)。自分の関節を残すことができ、発症前にできていたことならほぼ制限されず再びできるようになる。

人工関節は正座ができない、長時間走れないなどの動作の制限はあるものの、手術前の苦痛は大きく取り除かれ、ほぼ一生もつ。「手術なんて大げさとひるむ声も聞かれるが、痛みのせいでやりたいことをがまんせざるを得ないとか、将来、外出もしないようになっては人生の時間がもったいない。術後は活動性が大幅に高まり、全身の健康状態も良くなる」と、岡崎教授は説明する。

なお、手術はともに約1カ月の入院を要する。「仕事が多忙などで手術に消極的な場合は、保険適用外だがPRP(多血小板血漿)という除痛治療で様子を見る方法もある」(岡崎教授)

岡崎賢さん
東京女子医科大学(東京都新宿区)整形外科学教室教授。日本整形外科学会専門医。九州大学大学院医学系研究科修了後、米国ワシントン大学留学、九州大学病院を経て2017年より現職。専門は膝関節外科、人工関節や骨切り術の症例多数。後進育成にも尽力している。

(ライター 福田[渡邉]真由美、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス2019年10月号の記事を再構成]

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