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柄・色の工夫で着ぶくれしない 冬コートの最新コーデ

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

いよいよコートが恋しくなる季節を迎えます。英国調や縦長シルエットなどの世界的トレンドを取り入れてバージョンアップするのが今季らしい着こなし。コーディネートのポイントは、「着ぶくれしない」「のっぺりさせない」「平凡に見せない」の「3ない」。コートで人気の高いブランド「MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュ ロンドン)」の秋冬ルックから、賢いアレンジを押さえていきましょう。

同系色でまとめて、落ち着いた着映えに

コート姿が退屈に見えがちなのは、カラートーンが単調な場合です。色味を少しずらしたり、無地と柄をミックスしたりすれば、動きが出ます。

黒やグレーを主体に、色数を抑えると、上品なムードにまとまり、お仕事コーデにも取り入れやすくなります。柄物ワンピースの上から、無地のコートを重ねる組み合わせは、全体を静かに落ち着かせます。

フラワープリントのワンピースの上に、落ち着いたグレーのコートを羽織れば、ワンピースとコートの異素材が際立ち、軽やかな着映えに。すっきりとしたシルエットのステンカラーコートが知的な雰囲気まで醸し出してくれます。

キャメルやブラウンなど、色味が割と近い色を組み合わせる「トーン・オン・トーン」のコーデは、全体を穏やかにまとめる効果があります。ソフトな風合いのボア生地をコートに生かして、やさしげなムードに整えました。

全体で最も濃い色を、ニットトップスにあしらうことによって、上半身をほっそり見せられます。マイクロポリエステル糸のおかげで、コートは軽くなりました。ぬくもりと軽さが両立する新素材仕立てのコートは着ぶくれを遠ざける効果が大です。

冬ルックの工夫ポイントにバッグと靴があります。どちらもコートに隠れてしまわないから、絶好のアクセントに。バッグは同系色で統一感をアップ。一方の靴はレオパード(ヒョウ)柄で、動感を添えました。逆にバッグで差し色効果を発揮するスタイリングも試せます。

小物使いとディテールで視線を散らす

コートルックがかさばって映りがちな理由は、コートの印象が強すぎるから。つまり、別のアイテムで視線を散らせば、全体のバランスが整います。たとえば、帽子やベルトといった、上や前に張り出すポジションの小物類は視線を引き込む効果が期待できます。

グレーのコートの上から巻いたのは、キャメル色のベルト。同じ色・素材の共布でベルトも用意するのがコートの通例ですが、あえて色も素材も異なるベルトをオン。腰の位置をはっきり示す「ウエストマーク」は、コート姿にめりはりをもたらします。

アウターの前を少し開けて服をのぞかせると、軽やかな見え具合に。コートの上からリボンのようにベルトを巻いて、余った端を垂らすと、縦落ち感が出ます。透ける素材のワンピースを裾からのぞかせれば、コートルックがさらに軽やかに映る仕掛けです。

帽子を使うと、シルエットが縦に長くなり、すっきりした着映えに仕上がります。秋冬はシックなつば広帽子で、さらに視線を引き上げて。顔が小さく見える効果もうれしいおまけです。

パーツのボタンも、コートルックに表情を加えるディテールになります。ダッフルコートのトグルボタンが、メンズライクな風情を呼び込みました。前を開けて、ボタンを遊ばせるのも、アクセサリーのように見せる小技です。

短めのクロップド丈パンツは、足首がきれいにのぞくから、ほっそりしたレッグラインを引き立てます。ハイヒールとのコンビネーションで、さらに縦長イメージを増幅するのも、コートルックをシャープに見せるスタイリングです。

トレンド柄を生かして、動きと華やぎを演出

「コート=無地・地味色」という思い込みを捨てれば、コートルックはもっと軽やかに着こなせます。トレンドの勢いが続くチェック柄やレオパード柄を取り入れると、ワンピース風の着映えにスイッチ。オフの日にも着回しやすくなります。

マルチカラーのチェック柄は、格子のサイズが大きめなので、ゆったりした風情を帯びました。かしこまって見えにくい分、デイリーの装いにも向いています。チェック柄には英国紳士ライクな正統派ムードもあるおかげで、柄入りでも「きちんと感」が保てます。

色を響き合わせると、装いにリズムが加わります。コート裏地とトップスのブラウン、チェック柄とハイヒールの赤が調和して、動きと統一感が生まれました。全体で3色以内に抑えるのが、品格を損なわずに華やぎをまとうコツです。

裾の広がったポンチョ系コートは、腰から下がスレンダーに映る点で、着ぶくれを避けやすいアウターです。裾が揺れやすいから、裏地で遊べるのも、ポンチョ形のいいところ。意外感の高いフォルムは、ありきたりのイメージから抜け出させてくれます。

裏地にレオパード柄を配したおかげで、程よくスパイスの効いた見え具合に整いました。襟や袖にもレオパード柄がのぞいて、グラマラス感がアップ。無愛想に見えがちなコートルックに、ポジティブな気分を忍び込ませています。

ポンチョの裾広がりを際立たせるには、細身のパンツが役に立ちます。トップスもボディーにぴったりフィットする黒無地を選べば、コートのボリュームがさらに強調されて、逆に着痩せ効果を発揮。シャープさを引き出せます。

注目の「英国調スタイル」をコートで取り入れて

「マッキントッシュ ロンドン」は英国を代表するアウターウエアの「マッキントッシュ」から誕生したブランドです。防水性の高いゴム引きコートや、トレンチコート、ダッフルコートなど、英国の伝統的なアウターで知られる「マッキントッシュ」のテイストを受け継ぎ、英国のトラッドテイストに基づいたトータルコレクションを提案しています。

秋冬ルックの主役はやはりコート。一番外側に着るので、どうしても視線を集めます。ただ、同じコートを繰り返し着る頻度も高くなりやすいだけに、着方を工夫しないと、ワンパターンになりがち。今回、取り上げたスタイリングは、自分流のレパートリーを広げるのに役立ちそうです。

(画像協力)
マッキントッシュ ロンドン
https://www.mackintosh-london.com/
宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。

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※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

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