滑り止めか本命か? 銀行を志望する就活生の本音とは就活探偵団

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

就職人気ランキングでかつて上位を占めた業界がある。「銀行」だ。預貸金の利ざやが見込みにくくなるなどメガバンクにとって環境は厳しい。就活生のあいだでは「銀行は滑り止め」との声も一部で聞こえるが、銀行の人気はこのままなのか。就活探偵団が探ってみた。

「銀行は受けません。半沢直樹のドラマのような修羅場に耐え続けるのはちょっと…」。都内の私大4年の佐川次郎さん(仮名)は当初、金融業界に興味を持ったが、銀行につきまとう「過酷な」イメージが気になり説明会にも行かなかった。

「メガバンクに内定したと話すと、友達から『大変そうだね』と言われました」。地方大4年の田中竜治さん(仮名)は来年の入行を控えながら内心は穏やかでない。

文系学生の人気企業で上位の常連だったメガバンクに異変が起きている。5年前、就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)による「大学生就職企業人気ランキング」で、3メガバンクは20位以内に入っていた。

しかし19卒の文系学生ではメガバンク首位だった三菱UFJ銀行がトップ10から脱落。20卒では三菱UFJ銀(16位)、三井住友銀行(23位)、みずほフィナンシャルグループ(FG、47位)とそれぞれ順位を下げた。

原因は何か。マイナビの企業イメージ調査では銀行業界の「将来性」が全業界のなかでワースト1位だった。2年前の37位、前年の18位から急落している。

マイナス金利政策が16年から続く中、預貸金の利ざやで稼ぐ銀行業には逆風が吹いている。森永正さん(仮名、30)は19年5月、ある地銀から大手人材サービス会社に転職した。「興味のない顧客に投資信託を売ったり、厳しいノルマを課されたりする中で、これは厳しい」と判断。転職を決意した。

「採用人数が激減しました。私の頃は大量採用していたのに…」。あるメガバンクに一般職として勤務する女子行員、佐藤綾子さん(仮名)が入行したのは17年4月。グループ全体で同期の人数は1000人を超える。

しかし半年後、「3メガ銀がIT活用などにより単純合算で3万2000人分の業務削減を目指す」と報じられた。20年卒の入行人数はリーマン・ショック前の3分の1にあたる約1800人にまで減る見通しだ。入行3年目にして「自分がお荷物になるのではと気が気でない」と話す。

マイナビの調査では、就職先として業界を捉えた際にイメージが悪化したと答えた学生の中には「採用人数を大幅に減らしているため」との記述も見られた。

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