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茶割りの組み合わせ100種類 イチ押しは茎茶×ジン

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NIKKEI STYLE

緑茶割り、ウーロン茶割りなど、お茶で割ったアルコールは、たいていの居酒屋でそろえている定番ドリンクだ。しかし、100種類ものお茶割りアルコールドリンクをそろえる店があるといえば、どうか。その名も「茶割(ちゃわり)」というユニークな居酒屋が今、注目を集めている。

「茶割 目黒」は、JR目黒駅から徒歩約4分、飲食ビルの地下ながら、平日の早い時間から予約で満席になるほどの人気を誇る。2016年9月に東急東横線の学芸大学駅近くでオープンし、100種類の茶割りと100種類の唐揚げで話題となった「茶割」の2号店として、19年3月にオープンした。

100種類の茶割りアルコールドリンクは、茎茶、ほうじ茶、コーン茶、玄米茶、トルコ紅茶、さんぴん茶、ユズ煎茶、緑のアールグレイ、抹茶、月替わりのものという10種類のお茶と、焼酎、泡盛、ジン、ラム、ウイスキー、ブランデー、カシスリキュール、アマレット、スーズ、月替わりのアルコールという10種類の酒を自由に組み合わせて注文する仕組み。茶葉は学芸大学駅近くの今井園茶舗から仕入れており、店内で茶葉からお茶をいれ、茶葉にあわせて水出し、湯だし、煮出しといれ方も変える。価格は400円(税別)からだ。

メニュー表示もユニークだ。オーナーの多治見智高さんは「お茶への思い入れとこだわりを表すには圧倒的なインパクトが必要だと考えた結果、100という数字にたどりつきました。しかし、問題はどう100にするかです。1×100よりも10×10の方がより広がりが生まれますよね。そこで10のお茶と10の酒を自由に組み合わせて、注文するというスタイルを思いつきました。これなら、わかりやすいマトリックスで、広がりを出せるかなと。僕、好きだったんですよ、『100マス計算』(笑)」

なるほど、「100マス計算」は小学生が算数の勉強で使っているもので、分かりやすい。

「茶割」では、ビール系各種(生ビール、「茶ンディガフ=ビールをベースにしたオリジナル茶割りカクテル」、「COEDO」ビール各種、ノンアルコールビール)、ハイボール、梅酒、ソフトドリンクなど、少なくない居酒屋ドリンクもそろえているが、「100マス計算」で表された100種類の茶割りアルコールドリンクのユニークさは、やはり異彩を放っている。縦軸と横軸をかけあわせる注文方法からは、お茶と酒の組み合わせが複雑な味の変化を予感させるからだ。

多治見さんに100種類の中からお薦めを聞くと、メニュー表を眺めながら教えてくれた。「焼酎はなんにでも合いますが、まずお薦めしたいのが『玄米茶×焼酎』ですね。玄米入り緑茶を使いますが、お茶の甘みと華やかな香り、香ばしさも楽しめます」。

さっそく茶割の基本の1杯という「玄米茶×焼酎」を飲んでみた。ペットボトルの茶で作ったものとは全然違う。甘みと華やかな香りが複雑に混ざり合い、グラスを満たす爽やかな緑色もきれいだ。「玄米茶などの緑茶はいれてから時間がたつと変色してしまうので、ペットボトルの緑茶は茶色く見えます。でもいれたてのお茶の色はとてもきれいだし、香りも違う。その色も楽しんでもらいたい」

多治見さんが次に薦めてくれたのは、常連客から「茎ジン」と呼ばれる「茎茶×ジン」の組み合わせ。学芸大学の店を出したときからの大人気の組み合わせだ。茎茶とは煎茶の一種で、出物と呼ばれるお茶の茎の部分を使う。アミノ酸が豊富で、玉露のようにうま味の強いお茶であり、植物から作られるジン独特の風味と相性がよく、すっきりした飲み口が特に男性に人気だ。「茎ジンしか飲まない」という熱狂的なファンもいるほどだという。

「反対に女性を中心に人気が高いのが『トルコ紅茶×ブランデー』です。トルコ紅茶とは甘くして飲む紅茶。甘い紅茶にブランデーの香りをつけるので大人っぽい組み合わせになります」と多治見さんは説明する。飲んでみると、ほんのりと甘く、そして香り高い。こんなお茶割り、今まで飲んだことがない。お茶割りが生み出す味の広がりにあらためて驚かされる。

「『ほうじ茶×ウイスキー』はハイボールが好きな方にまずお薦めしたい1杯です。ほうじ茶もウイスキーもどちらもスモーキーな香りを楽しむものなので、互いの香りを高め合う組み合わせです」。ほかにも、「さんぴん茶×ラム酒」「抹茶×カシス」「緑のアールグレイ×アマレット」など、すっきり味からカクテルのような甘い味までさまざまな組み合わせを自由に楽しめる。

ところで、多治見さんはなぜ、お茶割りアルコールに特化した店を出したのか。聞けば、着想の原点は自身の幼少期にあるという。多治見さんは90年生まれの東京育ち。家庭で日常的に茶葉からいれたお茶を飲む人がだんだんと少なくなっている世代ではあるが、多治見さんの家は違った。両親は大のお茶好きだったため、家では朝食や夕食の前後にはいつも当たり前のように急須でお茶をいれて飲んでいた。お茶好きな家庭で育ったこともあり、自身も小さい頃からお茶が大好きだった。

「特に近所にあったお茶の販売店に連れて行ってもらうのが好きでしたね。いい香りがするじゃないですか。それに、店内にある焙煎(ばいせん)の機械や、茶葉の入った茶箱を眺めるだけでわくわくしました。家ではいつも、その店に注文して作ってもらった抹茶入り玄米茶を愛飲していました。自分が大のお茶好きだったので、きちんといれたおいしいお茶でお茶割りを飲んでもらう店を作りたかったのです」(多治見さん)

多治見さんは飲食業の経験があったわけではなく、料理人でもなかったが14年4月、縁あって都内にイタリアンレストランを開業した。しかし、このときはまだお茶割りアルコールドリンクを提供する夢は実現していなかった。その夢が現実味を帯びだしたのは2店目の出店を考えていた16年夏ごろのこと。

ちまたではちょうどレモンサワーが流行の兆しを見せていた。大手飲料メーカーが実施した16年度のアルコール飲料の消費者実態調査でも外飲みでレモンサワーを飲むことが増え、好きなフレーバーの1位をレモンが獲得している。また新宿ゴールデン街にレモンサワーに特化した店がオープンしたのもこの年だった。

居酒屋でもレモンサワーを出す店が増えていた。人気の居酒屋の傾向を調べてみると、それぞれその店こだわりの味を徹底追求するスタイルだった。一方、お茶割りはどうか。居酒屋には昔から緑茶ハイやウーロンハイなどのお茶割りがあるが、甲類焼酎にペットボトルのお茶を注いだ簡単なものがほとんどだった。ボトルキープした酒を何かで割るという飲み方をするときも、割るために使うドリンクの選択肢は意外に少ない。水割りか、お湯割りか、お茶割りか。大別するとこの3つになるが、使われるのはペットボトルのお茶だった。

「お茶割りといえば、地味なもの、甲類の焼酎をペットボトルのお茶で割っただけの簡単なものとなっているのが、もったいないと感じました。お茶という概念はとても広いものです。ひとくちにお茶といっても、緑茶、紅茶、ウーロン茶やジャスミン茶などの中国茶、沖縄のさんぴん茶まで色々なお茶があります。割る物としてきちんといれたおいしいお茶を使ってみたい。色々なお茶があっていい。ベースの酒も焼酎だけでなくてもいい、広がりを持たせる方向で考えてみたいと考えました」

「茶割 目黒」は、学芸大学の1号店と違って深夜営業はせず、ランチタイムも営業するため、食事メニューとして丼ものやお茶漬けもある。唐揚げもお茶割りアルコールドリンクと同様、「100マス計算」方式で100種類の唐揚げを注文できる。肉は鶏肉(モモ肉、ムネ肉、ササミ、砂肝、ぼんじり、せせり)、ダチョウ肉(もも肉、フィレ)、カモ肉(モモ肉、ムネ肉)の10種類と、味付けはプレーン、ユズコショウ、カレー、ワサビ、南蛮、パクチー、土佐酢、赤(トウガラシやニンニクをきかせたスパイシーな味付け)、緑(抹茶塩)、月替わりの10種類。こちらも価格は400円(税別)からだ。

10×10で100種類のお茶割りと、10×10で100種類の唐揚げ。自由な組み合わせから味が広がる。斬新な仕掛けを楽しみながら、自分好みの組み合わせを見つけたい。

(日本の旅ライター 吉野りり花)

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