バリュー株からテーマ株投資に転換 災害対策に注目

「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
今回はSさん(39)。埼玉県在住、都内勤務の事務職。歴史が好きで、休日はルネサンス期のイタリアの本を読みあさる。

2004年~

Sさん 株式投資を通じて世界を知りたい

IT(情報技術)バブル崩壊で経済に興味を持ち、株式投資を始める。最初に買ったのはコナミコンピュータエンタテインメント東京(現・コナミホールディングス、9766)。制作するサッカーゲーム「ウイニングイレブン」が世界的に人気が出ていたためで、約23万円で100株を取得したところ、2~3カ月後に親会社に吸収合併され3~4割の値上がり益を得た。一方、市町村の「平成の大合併」で地図の更新需要が増すとみた昭文社(9475)にも約15万円を投じたが株価は上がらず1カ月ほどで売却した。

05年~

バフェット氏などの本を読み、企業の本質的な価値を下回る割安な銘柄を選び時間をかけて値上がりを待つバリュー投資に注力。PER(株価収益率)や、自己資本比率といった指標で企業をスクリーニングし、タナベ経営(9644)や日本化学産業(4094)といった中小型株に投資する。小泉政権下での郵政相場の波にも乗り一時は元本300万円で含み益は130万円ほどまで増えた。しかし08年のリーマン・ショックで暗転。特に06年から09年にかけて株価が99%下落したフージャースコーポレーション(現フージャースホールディングス、3284)では大損し、全体でも含み損の状態に陥った。

12年~

リーマン・ショック後は多くの銘柄を塩漬けにしていたが、アベノミクス相場で株価が戻った銘柄を「買値撤退」。他人の銘柄分析をうのみにして痛い目にあったフージャースの経験から、自分で調べて納得するまでは買わないと心に決める。バリュー投資だけでは利ざやが小さいため、成長が期待できるテーマ株に目を向けるように。災害対策が増えると見て、今は土木向けソフト販売の福井コンピュータホールディングス(9790)や土木関係者に人気のワークマン(7564)などに投資。今後はテクニカル分析や米国株も勉強したいと思っている。

[日経ヴェリタス2019年11月17日付]