年金との付き合いは長い 納付が苦しい時はどうする年金道場(3)

今回もクイズから始めよう。「10代でも年金に加入することがある。○か×か」。公的年金には国民年金と厚生年金の2つがあることは前回の説明の通りだ。クイズの正解は〇。これらの年金にはいつから加入するのだろう。

加入期間延長の検討も

原則60歳未満の日本国内に住む人全てが加入する国民年金の加入年齢は「20歳以上」。一方、会社員などが加入する厚生年金は、一定条件を満たせば20歳未満でも「第2号被保険者」となり、会社と折半で保険料を負担する。

厚生年金に加入する条件とは、一般の中小企業なら所定労働時間が週30時間以上、大企業は週20時間以上、月額賃金8.8万円以上など。これらの条件を満たせば加入が必須となる。

20歳代の君たちと年金は長い付き合いになるだろう。年金制度改革の議論の中では加入期間の延長も検討されている。国民年金は現在の60歳を65歳、厚生年金は70歳を75歳にする案が浮上している。

保険料を払い続けることにうんざりする人もいるだろう。でも「未納」は避けたい。公的年金で大切なのは加入期間だからだ。将来、国民年金(老齢基礎年金)をもらう資格を得るには、加入期間が10年以上必要だ。国民年金は加入期間に応じて年金額が決まり、満額もらうには40年間、保険料を全額払う必要がある。当然、未納だと加入期間に算入されない。

長い人生の中では会社を退職せざるをえなくなったり事業に失敗したりして、収入が途絶えることもあるかもしれない。国民年金保険料の支払いが難しくなったときに知っておきたいのが、国民年金保険料の納付猶予と免除の制度だ。

10年以内に追納できる

猶予制度として若い人に身近なのが「学生納付特例」だ。学生で本人の所得が一定額以下なら、保険料納付を待ってもらえる。学生以外の50歳未満が使えるのが納付猶予。本人や配偶者の所得が一定以下の人が利用できる。免除制度には全額免除、半額免除など4種類あり、本人、配偶者、世帯主の所得が審査される。

いずれも利用には申請が必要だが、未納にならないために大事な手続きだ。猶予・免除とも、年金をもらう資格(10年以上)を得る期間に算入される。

猶予は年金額を増やす期間には反映されない。免除は免除割合に応じて年金額が減るが、一定程度は反映される。猶予・免除とも10年以内に追納すれば年金を増やせる。万一、猶予・免除の間に病気などで障害を負ったり死亡したりすると、障害・遺族年金の対象になる意味も大きい。

年金は「人生の重大リスクに備える保険」だ。猶予や免除もリスクヘッジのひとつと考えれば、人生設計に対する安心材料が増す。

(堀大介)

[日本経済新聞朝刊2019年11月16日付]

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