ミドル転職のワナ 社長の一存や特別待遇の即答はNG経営者JP社長 井上和幸

あなたを見込んだ特別待遇年収提示の落とし穴

「Bさんにはぜひご入社いただきたいので、今回、特別に●●万円の年収を提示させていただきます」。中堅中小やベンチャー企業への転職で、あなたの前職給与が高かったため、その条件に合わせるなどの努力を受け入れ先企業がしてくださるケースもままあります。その分、通常のその会社の給与テーブルや規定からは外れたオファーとなる場合も少なくありません。

特別待遇の年収提示。非常にありがたい話ではあるものの、こうしたオファーを受けて入社する際にも、気を付けたほうがよいことがあります。

不思議なもので、他の社員平均よりも高給で入社すればするほど、特に上記のような特別待遇を受けての入社であればあるほど、「あの人、年収▲▲万円らしいよ」の社内噂情報はなぜか出回るものです。

尾ひれもつきがちです。「前職ではパワハラ上司だったらしい」「かつて、どこどこで問題を起こしたことがあるって」など、あなたの経歴などにも無用な噂、あらぬ風評が立ったりします。

さすがにそこまでひどいことは少ないにしても、いずれにしても「それだけ高い給与で入社してきているのだから、お手並み拝見」モードに周囲がなっているところに飛び込んでいくことになる可能性は少なくありません。

厚遇そのものが悪いわけではありませんが、既存社員とあまりにかけ離れた提示を受けての入社は、お互いのためにはあまりならないケースが多いのも事実です。ここは冷静に入社前の最終判断をしたいところです。

その特別オファーを受けても、入社後、十分にそれ以上の成果貢献ができることが確認できている(入社先にない重要な機能やノウハウをあなたが持っており、それを持ち込むことで事業が大きく伸びることが明確であるようなケース)。あるいは、「お手並み拝見、望むところ」、入社後、そうした社員たちからの疑い半分の視線を、粘り強くひっくり返していく関係構築への情熱と自信がある。このどちらかがあるならば、会社からの特別待遇をしっかり受け止め、それに値する働きでぜひ、新天地での恩返しをしてください。

これらがなくて、ただ前職給与水準との見合いなどで特例待遇給与額で入社していくなら、入社後のタフな職場環境をしっかり覚悟することです(相当の腹のくくりが必要です)。そうでないのなら、悪いことは言いません、本件についてはお互いの相場が合わなかったと思って辞退しましょう。

実はもうひとつ、あなたが入社先企業の給与テーブルに給与額を合わせるという選択肢も、もちろんありますが(そしてこれが本来、あなたと会社にとっての中長期的観点で良好な関係性を築くには最も望ましい選択肢ですが)、さて、あなたはそれを受け入れられるでしょうか?

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