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採用面接では温厚だったのに、社内では「暴君」という経営者もいる。写真はイメージ=PIXTA

採用面接では温厚だったのに、社内では「暴君」という経営者もいる。写真はイメージ=PIXTA

ミドル、シニアの場合、転職の成功と失敗は自分自身のみならず、家族にまで大きな影響を及ぼす。それだけに皆さん、真剣に活動し転職先企業を選び、意思決定しているはずです。一昔前よりも事例や情報も増えてきており、転職先情報の確認はしやすくなっています。ところが、一向に減らないどころか逆に増えているやに見えるのが、ミドル、シニアの「入社してみて、こんなはずではなかった」トラブル。その防止策を考えてみましょう。

「いいね、ぜひ我が社に来ていただきたい」。中堅メーカーで経理財務部長を務めているAさん(52歳)は、応募先企業の一次面接で、初回から社長が登場されたことにも少し驚きましたが、1時間半程に及んだ面接の最後に飛び出した社長の一言に(「え? もう内定? やった!」)とうれしい驚きを隠せず、その場で、「はい、よろしくお願いします!」と即答しました。

社長一発面接で即内定という、一見すると、ラッキーなスピード決定。もちろん喜んで良いケースは多いです。独立系オーナー企業、ベンチャー企業などでは初回から社長が面接に出てくるケースは珍しくありません。

いきなり社長面接、一発内定の落とし穴

社長が求める幹部人材像が明確であり、それに照らし合わせて候補者の方が適していると判断すれば、オーナーであるが故に自分が即決で最終決定する。勢いのある、成長力の高いオーナー系企業での望ましいスタイルです。

ところが、この良縁のはずの「社長の一存」採用が、入社後に禍根を残すケースも存在するのです。実際に入社してみると、幹部や部下たちからつまはじき状態。「何で入社してきたんですか」「我々は聞いていない」「あなたのポジションには、本来、プロパーの○○さんが就任するはずだった」――。オーナートップであるがゆえの悪いケースがこの「社長以外の幹部、社員たちが、あなたの採用を聞いていない。自分たちに知らされず、社長が勝手に連れてきた」という採用パターンです。

こうした事態に陥らないためには、社長一発内定といううれしい事象に遭遇したら、そこで焦らず、「ぜひ、一緒に働くことになる同僚幹部の方と1~2名でよいので、お会いできますか」とお願いしてみる。あるいは社長の話のなかから社長と社員たちの平素のコミュニケーション、カルチャーを推察する。エージェントから紹介を受けた案件であれば、担当エージェントにしっかり確認をする。これらのアクションを必ず挟みましょう。

もちろんこれらのことについて事前に把握できているケース、エージェントからきちんと説明されているケースは問題ありません。その場で快諾、固い握手を社長と交わしてください。

ちなみにこれと逆のケースも存在します。入社してみたら、社長のほうが「俺、聞いてない」という場合です。

大手企業であれば社長までが関与しないケースはミドル、シニア層採用でもありえますが、中堅中小・ベンチャーであれば、まずありえません。この規模・ステージの企業への転職で、役員や人事のみの面接で採用された際には、自分の採用についての社長への報告、共有のされ方などは面接者やエージェントにしつこいぐらい聞いておいたほうがベターです。できれば「短い時間で構いませんので、社長にお会いできませんでしょうか」と遠慮せずにお願いしてみることも大事です。

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