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メスカル・テキーラは塩で飲む かんきつで飲みやすく

魅惑のソルトワールド(35)

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NIKKEI STYLE

みなさんは10月21日が「メスカルデー」だとご存じだろうか。そもそも、お酒好きまたは飲食業界の関係者以外の人にとって、メスカルそのものが耳慣れないかもしれない。メスカルとは、メキシコ産のアガベ(リュウゼツラン)を蒸留したスピリッツの総称だ。実は塩にぴったり合うお酒と言える。

メキシコでリュウゼツランを蒸留して製造するスピリッツと聞けば、まず「テキーラ」が頭に浮かぶ人が多いと思う。ごく簡単に表現すると、テキーラとはメスカルの一部である。メスカルは「52種類のリュウゼツラン科の植物いずれかを原料に蒸留したもの」の総称。一方、テキーラはその中でもブルーアガベを原料の51%以上使用して、かつテキーラ村周辺で生産されたものだけがそう呼ばれる。テキーラを含むメスカルはアガベスピリッツと称されている。テキーラ、メスカルとも基本的にアルコール度数が40度以上と度数が高い。

アガベスピリッツはメキシコにとって非常に重要な産品だ。1994年にメスカルの原産地呼称制度が確立され、メスカル規制委員会(CRM)とテキーラ規制委員会(CRT)が発足した。

伝統的なメスカルの製法はこうだ。まず、アガベを栽培する。アガベはアロエの仲間で、原料として使用できるようになるまで少なくとも10年を要する。十分に育ったアガベの茎は大きく球状に膨れ、パイナップルのようなのでスペイン語でパイナップルを示す「ピニャ」と呼ばれている。刃物や手でピニャの皮をむいたあと、土の中に入れて石窯の間接熱で3~5日かけて蒸し焼きにし、その後、巨大な臼のようなものを使って絞る。その汁を2週間から1カ月ほどかけて発酵させてから蒸留し、ようやく樽(たる)に貯蔵して寝かせるのだ。すべてが手作業で行われる。

1800年代にテキーラの製法は市場のニーズに応えるべく様々に進化し、近代化されてきたものも多いが、テキーラ以外のメスカルは伝統的な製法で生産されているものがほとんどだそうだ。

テキーラでは、樽に入れて寝かせる年数によって種類が分かれる。熟成期間の短い順からブランコ、レポサド、アネホ、エクストラ・アネホの4段階に分類され、エキストラ・アネホは熟成期間は3年以上と規定されている。一方、メスカルはアガベそのものの風味を楽しむため、あまり樽の中で熟成はさせないようだ。歴史の中でそれぞれの製法の選択があって、違った楽しみ方のできるスピリッツとなったのである。

テキーラで、日本で一番認知度が高い飲み方が「ショット・ガン」とも呼ばれる一気飲みスタイルだろう。最初に塩をなめ、ショットグラスに注がれたテキーラを一気にぐいっと飲み干し、ライムやレモンなどのかんきつ類をかじる方法だ。塩のしょっぱさによってテキーラの甘味が引き立ち、さらにしょっぱさとかんきつ類の酸味の影響で口の中のアルコールの味が緩和されて感じて、飲みやすくなる。日本ではこの飲み方が罰ゲームのように扱われることもあるため、賛否両論ある。

だが、もともとメキシコでも行われている飲み方なのだ。また、アガベにすむ芋虫(スペイン語でグサーノ)を乾燥させてトウガラシと塩とブレンドした「グサーノ・ソルト」とともにたしなむ習慣もあるそうだ。いずれにせよ、アガベスピリッツと塩は切っても切れない関係なのである。そこで、いくつかアガベスピリッツと相性の良い塩を紹介するので参考にしてみてほしい。

●メスカルに合う塩

メスカル全般に共通するのは、ピニャ(アガベの茎)を土の中に入れて蒸し焼きにした際についたスモーキーな香りがついていることだ。そして、蒸留酒特有のアルコールの苦味もある。そのため、塩も少しスモーキーさのあるものや、土の香りがするもの、カカオの苦味があるものなどが相性が良い。「グサーノ・ソルト」は最近、日本に正規輸入されるようになった。土のような香りとほんのりとした苦味があるため、メスカル全般と合わせやすいだろう。「グサーノ・ソルト」のピリッとした辛味がアルコールの強さを緩和する役割も果たしてくれる。

また、最近多く出回るようになってきた「薫製塩(塩を薫製にかけたもの)」などもおすすめだ。薫製のかけかたで香りの強さがまったく異なるので、メスカルの香りの強弱に合わせてセレクトすると、さらに良いだろう。このほか、チョコレートエキスやカカオをブレンドした「チョコレートソルト」なども良い。カカオの苦味とアルコールの苦味はとても相性が良いのだ。なにもブレンドされていないシンプルな塩で合わせる時はフランスの「イルドレ・ペルルドセル」やクロアチアの「ニンの塩」など、少ししょっぱさが強く、甘味を持つ塩がメスカルの甘味も引き出してくれるだろう。

●テキーラに合う塩

テキーラの場合は熟成期間で異なる。多くはオーク樽で熟成されているため、オークの香りが移っているものが多い。熟成期間が短いテキーラには、オーストラリア産の「南の極み」のような、粒が細かくて溶けやすくしょっぱさの強い塩で、甘さを引き出して飲むのが良い。粒が大きいとテキーラの味のあとに塩味が残ってしまうので注意してほしい。エクストラ・アネホのように熟成期間の長いものの場合、香りも味も凝縮感があり、口当たりはとろみすら感じる。スロバキアの「ピランソルト・フラワー」のように、しょっぱさはややまろやかで濃厚なうまみや甘味を持った塩をおすすめしたい。

ショット・ガンはちょっと苦手という方におすすめしたいのが、ストレートやロックでじっくりと味わいながら、ちびりちびりと飲む方法だ。メキシコでもこのような飲み方は普通に行われている。ショット・ガンでは味わえないアガベスピリッツの風味や口当たり、そして香りも堪能することができる。この時も、ぜひ塩とかんきつ類をお供にしてほしい。

テキーラを使ったカクテルも豊富にある。最も代表的なものは「マルガリータ」だろう。テキーラにホワイト・キュラソー、レモンまたはライムジュースを入れてシェイクしたショートカクテルで、グラスのふちに塩を飾るスノースタイルで提供される。スノースタイルで楽しむときに注意したいのが、あまり粒が大きくて溶けにくい塩を使ってしまうと、いつまでも塩の味が口の中に残ってしまって、カクテルの味の余韻を消してしまうことだ。

できるだけ粒は細やかなもので、するりと口の中で溶けるように海水塩か、溶解抽出法(いったん塩を水で溶かして再結晶させる方法)で生産された岩塩がおすすめだ。米国産の海水塩でできた「マルガリータソルト」という名前の商品がある。また、樽での熟成期間を経ていないテキーラがベースになっている場合でも、ホワイトキュラソーに樽香があるので、香りの弱い薫製塩も相性が良いだろう。

10月19日と20日、アガベスピリッツをテーマにした「AGAVE LOVE× TEQUILA FESTA 2019 in TOKYO」が開かれた。メキシコ大使館でのプレセミナーを皮切りに、試飲展示会やパーティーなど多くのイベントが開催された。私もいくつかの塩を持参してプレゼンテーションして、「テキーラカクテル×塩」の新しいコラボレーションも生まれた。誰もが笑顔で、アガベスピリッツに対する愛情にあふれていたのが印象的だった。飲んだことがない人も、塩とかんきつ類を片手に、ぜひ試してみてほしい。魅惑的な世界が広がるはずだ。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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