変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「数える」だけではないcountの使い方について学びましょう。

◇  ◇  ◇

ユウカとスティーブの勤める会社では定期的に報告書を発行しており、今回も刷り上がった冊子がテーブルの上に平積みになっています。取引先に何部を送ったらよいかを確認したユウカは、発送の準備に取り掛かろうとするのですが、報告書をぱらぱらとめくっていたスティーブとの間で、奇妙な会話の行き違いが生じます。どうやら「数字」とか「数える」とかをめぐる誤解のようなのですが……。

それはこんな会話でした。

Yuka: How many copies of the report should we send?
Steve: The company said they want 50.
Yuka: Okay. I'll take some from here.
Steve: Wow, this report is full of numbers.
Yuka: Really? But I'm not good at numbers.
Steve: Well, they count for a lot.
Yuka: Oh, so I need to check one by one, then.
Steve: Are you going to check all of the numbers in the report?
Yuka: What? I just want to make sure I'm sending exactly 50 copies.

日本語に置き換えてみると次のようになります。

ユウカ:報告書は何冊送ったらいいの?
スティーブ:その会社は50部ほしいって。
ユウカ:わかったわ。ここから取っていくね。
スティーブ:わあ、この報告書は数字だらけだね。
ユウカ:そうなの? でも私、数字は苦手なの。
スティーブ:まあ、数字はとても大切だよ。
ユウカ:あら、じゃあ一つ一つチェックしないと。
スティーブ:報告書の数字を全部チェックする気なの?
ユウカ:えっ? ぴったり50冊送るように確かめたいだけよ。

上の対話では、ユウカのI'm not good at numbers.(私は数字に強くない)という言葉を受けて、スティーブがWell, they count for a lot.と返しましたが、ユウカは誤って解釈してしまったようです。それは「数える」という概念が、英語では日本語よりも広い範囲の事柄を表せるからでしょう。スティーブのこの発言を聞いたとき、ユウカはcountを日本語の感覚で捉えたのでした。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック