音・映像こだわるドルビーシネマ 座席数より満足度「年の差30」最新AV機器探訪

「音と映像にこだわった」というドルビーシネマ。何がすごいのか、実際に観客として映画を見た後、関係者に話を聞いた
「音と映像にこだわった」というドルビーシネマ。何がすごいのか、実際に観客として映画を見た後、関係者に話を聞いた

「音」と「映像」にこだわった「ドルビーシネマ」が都内にオープンした。映画館を運営する松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)によると、「10~20代の反響も大きい」という。いったい何がすごいのか。映像と音響技術を長年追い続けてきたオーディオ・ビジュアル評論家と、最近は映画館より動画配信サービスで映画を見る機会が多い平成生まれのライターが関係者を訪ねた。

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10月4日、「丸の内ピカデリー」(東京・千代田)が、都内初となる「ドルビーシネマ」を導入した。ドルビーシネマとしては日本で4館目、しかも国内初の「専用劇場」となる。

マスコミ向け内覧会ではジェームズ・キャメロンやJ.J.エイブラムスといった映画監督がドルビーシネマを高く評価する映像が流されたが、いったい何がすごいのか。オープニング作品である映画『JOKER』を鑑賞してから、ドルビージャパンの大沢幸弘社長、尾崎卓也シネマ&コンテンツソリューション部部長、SMTの佐藤礼子マーケティング部部長に話を聞いた。

小原由夫(55歳のオーディオ・ビジュアル評論家。以下、小原) 小沼さんがテレビを持っていないことは知っていますけど、映画館には行くんですか?

小沼理(27歳のライター。以下、小沼) 2カ月に一度くらいで、全然行けていないですね。見たい作品はたくさんあるのですが、ネットフリックスでの配信を待てばいいやと思ってしまって。

佐藤礼子さん(以下、佐藤) 2カ月に一度であれば頻繁に行っているほうですよ。2017年の日本人の年間映画鑑賞本数は平均1.4本ですから。

小沼 思った以上に少ないんですね。

佐藤 これは世界的に見ても少ないほうです。でもドルビーシネマはオープン以降、たくさんの方に反響をいただいています。20代や10代の若い方からの反応も大きいんですよ。

小沼 若い人も関心が高いんですね。今日はそのあたりのお話もうかがいたいと思っています。

映画の世界に没入できる

小沼 そもそも「ドルビーシネマ」って何がすごいんでしょうか?

大沢幸弘社長(以下、大沢) 最新の映像技術「Dolby Vision(ドルビービジョン)」、立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」、そして映画をより楽しむための「シアターデザイン」。この3つからなる映画の世界に完全に没入するような体験が魅力です。

ドルビーシネマを構成する3要素は映像技術、立体音響技術、そしてシアターデザインだという

尾崎卓也さん(以下、尾崎) ドルビービジョンは最新鋭のHDR(ハイダイナミックレンジ)映像技術で、従来のシネマプロジェクターの約500倍に相当するコントラスト比を実現します。色域も拡張しており、完全な黒色やビビッドな色彩を表現できるようになりました。

小原 映画の前に流れるデモ映像でも、従来の映画館の黒色とドルビーシネマの黒色を比較していましたね。従来のものは若干白っぽいけど、ドルビーシネマは本当に真っ黒。

尾崎 ドルビーアトモスは、劇場内に最大64個のスピーカーを配置し、それぞれを独立駆動させることで立体的な音響を作り出します。

小沼 一つ一つのスピーカーから違う音が出ているってことですか。

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