脱・ビジネスウエア スーツスタイルは自由に楽しむニュースなスーツ2019(1)

MEN’S EX

2019/11/20
MEN'S EX

スーツ離れが進んでいる、などと耳にするが、今年傑出したスーツやジャケットを見てみると、むしろ今、より自由でより多彩なラインナップが充実しつつある。以前のようにビジネススーツを毎日着なくなったとしても、休日に選ばれるスーツやジャケットが躍進している。合わせるタイや靴にも注目すべきトピックが生まれた。今年もSUITSは面白い。一度ここで振り返るとしよう。

TOPICS 1.
日本橋三越本店 本館「パーソナルオーダーサロン」誕生

これはまさしく仕立ての楽園

8月に誕生した日本橋三越本店「パーソナルオーダーサロン」は、スーツ好きにとっては危険なほどに魅惑的な場所だ。伊、英、日など世界中の一流テーラーによるメイド トゥ メジャーが一堂に会し、それらを比べながらオーダーを楽しめるのが基本コンセプト。それに加え、ルビナッチ、ヘンリー・プール、チフォネリに関しては、日本のファクトリー製によるメイド トゥ メジャー、日本製ビスポーク、本国製メイド トゥ メジャーの3グレードを展開している。しかも日本製のみならず本国製のサンプルも各サイズ揃えているため、それらの違いを実際に着比べて体感できるというのが非常に画期的だ。

シャツのオーダーも大充実。大阪のレスレストン、東京のミナミシャツ、ナポリのルチアーノ ロンバルディなどそうそうたるビスポークシャツメーカーにオーダー可能だ。さらにビスポークレザーウェアのアルフレッド リフージオ、MTMシューズのジョーワークス、オーダー革小物のクレヴァレスコなど、トータルアイテムのオーダーサービスを展開しているのも同サロンの大きな特徴。一日中かけても見切れないほどの充実ぶりは、まさに仕立ての楽園と呼ぶに相応しい。

日本製メイド トゥ メジャーのジャケット12万9000円~〈オーダー価格〉、シャツ6万9000円/以上ルビナッチ(日本橋三越本店)、時計133万円/IWC(IWC) パンツ、靴〈以上スタイリスト私物〉

世界の一流テーラーが集結

ヒデアキ サトウ、テーラー・ケイド、リッドテーラーなど日本の代表的テーラーに加え、ミラノのNHサルトリアなどツウ好みの名門でもMTMが可能。ちなみにリヴェラーノやアントニオ・パニコなど既製も大充実している。

海外製オーダーのサイズ見本が揃う画期的システムに注目

ルビナッチ、ヘンリー・プール、チフォネリでは、日本製によるMTMに加え本国工房で製作するMTMも展開。画期的なのは、それぞれに試着用サンプルを揃えている点。同じ型紙でも仕上がりがかなり違うことがわかり、・そういうことか!・と膝打つ体験を味わえる。是非、一度試着してみてほしい。

ワインセラーならぬ“ファブリックセラー”

生地をずらりと並べた空間は「ファブリックセラー」と命名。生地選びをもっとワクワクする体験にするための趣向だ。

この空間のために精鋭を招集

サロンの開設にあたり、スタッフの更なる充実も強く意識したそう。ベテランはもちろん、フレッシュな感性をもつ若手も積極的に登用。

TOPICS 2.
’80s調アルマーニ復権

帝王の偉大さ、30年を経て再認識

ミラノ3Gの一角として1980年代ファッションを牽引したジョルジオ アルマーニ。モードの帝王と称され、今なお不動の王座に君臨しているが、近年のコレクションを見ると、アルマーニのオリジンといえる’80sムードを色濃く感じさせるアイテムが数多く提案されている。今年はその流れがメイド トゥ メジャーのスーツにも波及。今季登場した写真の新モデルは、低いゴージとボタン位置、ナチュラルショルダーがまさに’80s的だ。全体のバランスは今様にアップデートされているが、30年を経て再びアルマーニのルーツが最前線に。帝王の偉業は永遠なのだ。

■GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)

MTMにも太ラペルの新モデルが

スーツ51万3000円~〈オーダー価格〉、シャツ7万円、タイ2万8000円/以上ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

贅を極めたオーダールームも誕生

今年3月にリニューアルした「アルマーニ / 銀座タワー」。そこに誕生したオーダールームは、フロアの約半分を占める広大な空間。そこを一人で貸し切りにできるというなんとも贅沢なサービスが大いに話題を集めた。

TOPICS 3.
アットリーニ&キートン再評価

時代が再び求めた“最上の”ベーシック”

チェーザレ アットリーニとキートン。言わずと知れたナポリの双璧だが、今年、本誌は改めて、この最高峰に度々フォーカスしてきた。その理由は、消費型より普遍的ベーシックを求めるサスティナビリティ志向の高まりを強く感じているから。とりわけクラシックスーツは、ビジネスウェアの多様化が進む今、“そこそこ”を数多く揃えるよりも最上の数着を絞り込んで所有するほうが理にかなう時代になっている。そこで、ナポリが誇る二大名門の価値を改めてお伝えしたかったというわけだ。袖を通すと、安心感と高揚感が入り混じった独特な感動がこみ上げてくる。ここぞのときの勝負服に最適だ。

■左:CESARE ATTOLINI(チェーザレ アットリーニ)

ビスポークスーツに限りなく近い仕立てを守るアットリーニ。縫製もほとんどが手縫いだが、それでいて全体としては非常に端正な佇まいなのが特徴。肩も軽やかな雨降らし袖だが、ラフに見えず非常に都会的。 54万円(トゥモローランド)

■右:KITON(キートン)

最高レベルの職人を多数擁し、ハンドメイドで仕立てられるスーツ。フラワーホールひとつにも、その技術力が如実に表れている。ラグジュアリーな生地提案力も強みで、こちらはウール×シルク×リネンの軽やかな一着。 92万円(キートン)

左:シャツ3万8000円/マリア サンタンジェロ、タイ1万7000円/ニッキー(以上トゥモローランド) チーフ〈スタイリスト私物〉 右:シャツ7万8000円、タイ2万9000円、チーフ2万円/以上キートン(キートン)
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