進化版捜し物タグ 200メートル離れた迷子も見つかる
日経トレンディは12月号で「2020年ヒット予測ランキング」をまとめた。9位に選んだのが「ココヘリプレミアム&ライフビーコン」だ。クルマや荷物だけでなく、はぐれてしまった子供も瞬時に発見できる。
200メートル離れていてもスマホで確認
スマホと連係した捜し物タグが広まりつつあるが、その進化版ともいえるデバイスが19年10月に登場した「ライフビーコン」(オーセンティックジャパン)で、ブルートゥースを採用した発信機。
目玉は、ハードウエアやアプリの設計を最適化し、電波の飛距離と精度を高めたことだ。一般的なブルートゥースタグの利用範囲は数十メートル程度だが、ライフビーコンは約200メートル離れても検知できる。スマホの専用アプリを起動すると、受信した発信機の電波の強さを0から100までの数値で表示。スマホの向きを変えたり、移動すると表示される数値が変化し、より電波が強くなる方に向かえば発信機がある場所にたどり着ける仕組みだ。
駐車場に止めたクルマや捜し物を見つける際に役立つだけでなく、広い商業施設などで、どこに行ったか分からなくなった子供を探す用途にも使える。「従来の捜し物タグとは異なり、離れた場所からでもより高い精度で目的にたどり着ける」(オーセンティックジャパン代表の久我一総氏)。
発信機は1回の充電で約6カ月の利用が可能。レンタルが基本で、年間プランは4000円(税別)。月々300円台で買える安心感は、「大切なもの」を持つ多くの人に広がりそうだ。
オーセンティックジャパンは、登山者向けの会員制捜索ヘリサービスも16年から展開している。「ココヘリ」は特殊電波を採用した発信機と受信機を搭載したヘリコプターで遭難者の居場所を把握する山域を対象としたサービス。警察航空隊・防災ヘリなどと提携し、出動費用は3フライト(9時間分)まで無料ということもあり、登山ブームで会員は増え続けている。
しかし、「ココヘリは山に登らない日は役立たない」(久我氏)と思い立ち、前出のライブビーコンのブルートゥース機能も搭載したハイブリッド版「ココヘリ プレミアム」を19年10月に提供開始。普段はかばんやクルマに、山にあるキャンプ場では子供に付けておけばもしもの事態にも備えられる。このハイブリッド版が大本命だ。
近い将来にはアップルが参入するとの噂もあり、こうした捜し物タグの市場は今後、急拡大する見込み。20年は「無くし物が無くなる」年になる。
(注)COCOHELI PREMIUMは初年度のみ入会金3000円(税別)、AtlerLocKはデバイス代金8241円(税別)が別途かかる。
[日経トレンディ2019年12月号の記事を再構成]
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