パパのスキル大丈夫? 男性の育休義務化で家庭も混乱

男性の育児を考えるイベントでは参加者から多くの課題が挙げられた
男性の育児を考えるイベントでは参加者から多くの課題が挙げられた

政府は男性国家公務員に育児休業取得を促す制度の検討に入りました。仕事に支障が出ないように取得計画を事前に立てさせたり、部下の取得率を上司の人事評価に結びつけたりして、男性職員に1カ月以上は育休を取らせる考えです。

育休は父親も母親同様に取得する権利があります。ただ実際に取るのは圧倒的に女性です。2018年度に育休を取得した雇用者(育休給付金受給者)は女性34万5千人に対し、男性はわずか1万9千人。育休に限らず家事・育児といった家庭責任が女性に偏っている現状は深刻な少子化の元凶のうえ、職場での女性活躍を妨げています。

安倍晋三首相は「国家公務員が率先して大胆に取り組むことは、国全体の男性の育児休業の取得率向上へ重要だ」と説明します。自民党内では育児・介護休業法を改正し、企業に対策を義務付ける動きも出ています。男性の育休“義務化”を巡る議論が熱を帯びてきました。

ただ当事者である男性の意識と行動は、議論の盛り上がりに追いついていません。連合の「男性の家事・育児参加に関する実態調査2019」では、育休を取らなかった男性のうち「取得したかったが、できなかった」とする回答は3割。7割は最初から取得するつもりがありませんでした。また6歳未満の子どもを持つ夫の約65%は、育児に全く時間を費やしていません(総務省・16年社会生活基本調査)。家事時間ゼロも約68%に上ります。

これが残念ながら日本人男性の現状。彼らに取得を強制し、どんな効果が見込めるのか。「意識が低いからこそ外圧で変革を迫るべきだ」。男性の育休義務化に賛成する立場から、こんな意見が聞かれます。ただ現実と目指すべきゴールにこれだけ大きなギャップがあると、結果を急ぐ強行策は副作用ばかりが頻出する恐れもあります。

NPO法人新座子育てネットワーク(埼玉県)は04年から父親支援を行っています。女性は妊娠段階から育児に関する情報やスキルを学ぶ機会が提供されるのに、男性への支援が手薄だからです。代表理事の坂本純子さんは「父親の役割や家事・育児スキルを学ばせないまま、育休を強制しても家庭は悲惨な状況になる」と指摘します。

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