課長職以上の約150人とは毎月メールでコミュニケーションをしているという

白河 すてきなエピソードですね。実際に今、その方々は連休を取っていらっしゃるんですか?

高田 はい。「16連休を使って、子どもたちと旅行に行ってきましたよ」と話してくれます。うれしいですね。長く休むことで、「あの人はこんな仕事までやってくれていたんだ」と、周りも気づくきっかけになると思うんですよ。すると、自然とお互いへの感謝の気持ちが生まれます。長期休暇はヨーロッパができて日本ができないわけはないとずっと思ってきたので、ぜひやりたいチャレンジでもありました。

10年前は土日出勤も当たり前でしたが、だいぶ空気は変わってきたと思いますね。繁忙期の冬場は月に平均6.5日程度しか休めていなかったのが、今は12~13日にまで増えていますから。

真の意味での実力勝負になる

白河 政府主導の働き方改革が始まる前から、改革を進めてこられた成果ですね。急に始めるのでは、とても対応が追いつかなかったのではと思います。

高田 たまたま私の価値観と時代の流れが合致してきました。ただ、おそらく社員にとっては、「どっちが大変?」と聞かれたら、おそらく「今のほうが大変だ」と答えると思います。ムダを徹底的に省いて生産性アップを求められるので、サボれないし、ボーッとできない。休みもたっぷり取れるから「こんなに働かされて」と愚痴も言えない。真の意味での実力勝負にさらされるのですから。

白河 やはり事業会社として毎日売り上げの数字が見えるわけで、数字に対しては厳しくなさっているのですか。

高田 厳しいと思います。ただ、最近はずいぶん社員が自発的に考え、ものごとを決定していってくれるようになったことが頼もしいですね。以前は、テレビで紹介する商品の決定や説明の順序すべてを父が主導で数時間かけて会議で決めていたのですが、今はほとんど現場に任せています。何か気になることがあれば理由を聞きますが、納得すれば終わり。その点では、会社全体の仕事のスピードは速くなったと思います。

白河 現場への権限委譲も進めているということですね。社員の方々がダイレクトに社長に意見を伝えられる機会も用意されているのでしょうか。

高田 従業員満足度調査を定期的に実施していて、コメントを自由に書けます。加えて、課長職以上の約150人とは毎月メールで1対1のコミュニケーションをするというのが、私の重要な仕事になっています。今月頑張ったこと、よかったこと、悪かったこと、気になる課員、自部署以外で気になること、最近導入された制度を使ってみてどう感じたか。そういった生の声を定期的に聞くことで、現場で何が起きているかを把握しているつもりです。

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