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恥ずかしがる娘もOK 「友ブラ」で思春期の胸をケア

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日経DUAL

女の子は、生理が始まる前に、胸の変化が始まります。平らだった胸がだんだん女性らしい「おっぱい」の形を形成していきます。形が変わるだけではなく、乳頭がチクチクしたり、敏感になったり。気持ちにも影響するでしょう。思春期の胸を「守る」ためのブラジャーについて考えていきます。出産・育児ジャーナリストの関川香織さんが、女の子の体と心の成長を見守っている2人の方にお話を聞きました。

「胸を守る下着」に徐々に移行し、ファーストブラへデビュー

この記事を読んでいるお母さんたちは自分自身が、初めてのブラジャーを着けたのはいつだったのか、覚えていますか? 下着メーカー、ワコールの上地朋子さんは「初めての生理は覚えていても、初めてのブラジャーの記憶はあいまいな人が多い 」と言います。「それは胸の変化は徐々に起こることだからかもしれません」

上地さんはワコールの「ツボミスクール」講師。ツボミスクールは、小・中学校で思春期の体の変化についての出前授業を行っています。特に胸の変化についての授業を展開していて、年間に訪問する小・中学校は約400校。2001年にスタートしてから約13万人の生徒と保護者が授業を受けています。

「胸の変化が始まるのは、初経の1年半ほど前といわれています。実はその頃からブラジャーを着ける準備を始めたいのですが、初めての生理は個人差があって逆算はできないので、予測するのは難しいでしょう。

また、初めての生理の時期はよく身長・体重の変化と関係しているといいますが、実はそれだけではないということも分かっています。統計的には10歳前後ですが、それも個人差が大きいもの。なので、実際に、胸を守るための下着(ブラジャーやブラジャーに準ずる下着)を初めて着ける時期は、体形を見て判断するということになります」

体形に合わせて、いつ、どのような下着を選べばいいのでしょうか。

胸の先がかゆい、チクチクするが最初の切り替えの目安

「本人が自覚する変化としては、胸の先がかゆい、チクチクする、ぶつかると痛いといったように、敏感になってきます。ツボミスクールではこの頃を『乳頭期・乳輪期』、もしくは『ステップ1』と呼んでいます」

「その次に乳房が全体的に膨らんでくるのが『乳房期(ステップ2とも呼ぶ)』です。最終的には大人のように丸く立体的になる『成熟期(ステップ3とも呼ぶ)』で、おわんのような形になっていきます」

「ステップ3になったら、確実にブラジャーが必要です。本人が、洋服がこすれて痛い、かゆいというだけでなく、走ったら揺れるし、見るほうも目のやり場に困る、そういう時期になるからです」

ただ、ステップ3になったらいきなりブラジャーを着けるのでは女の子にとっては戸惑いも大きいでしょう。

上地さんは、ブラジャーに抵抗感を持たせないように、「胸の変化の初期、ステップ1の頃からブラジャーに準ずる下着を着けることが大切」と話します。「初めは、胸の部分だけ二重になっているキャミソールやタンクトップからスタートしましょう。胸が服に透けないだけでなく、肌が触れる部分がやわらかい素材のものを選べば、バストトップを刺激から守ってくれます。ステップ2の頃は伸びが良くしめつけの少ない素材で、胸を優しく包むブラジャーを選び、ステップ3ではいよいよやわらかいワイヤ入りのブラを、という段階を踏むと、スムーズにブラを受け入れられると思います」

娘の胸が徐々に膨らんでいく変化の過程は、普段から一緒にお風呂に入ったり、着替えるところを見ていたりすれば分かります。しかし、8~9歳になると、自分のことは自分でするようになっていて、母親でも裸を見る機会は減っているのではないでしょうか。

「体操着チェックをしてみるといいですよ。体操着を1枚だけで着たときに、どのくらい胸が目立つのかを見ると、下着の必要性がよく分かります。胸そのものはまだ膨らんでいなくても、乳首がちょこんと目立つようになったらステップ1、スタート段階です。

実は体操着って、親としては週に1度は洗って干してたたんで、と見慣れている気がしますが、子どもが着た姿というのは、せいぜい運動会くらいでしか見るチャンスがないもの。第二次性徴期の体は、半年、1年の間に、大きく変化します。だから、時々体操着を着せてチェックしてみるといいのです。もちろん白いTシャツでもいいです」(上地さん)

子ども自身がブラジャーを着けたがらない理由

「そろそろ胸を守る下着に切り替えを」というタイミングは「体操着チェック」で分かるかもしれません。しかし次の心配事は、子ども自身が素直に下着を切り替えてくれるかということ。小学校中学年にもなれば、そろそろ親のいうことを全て聞くということがなくなってくる頃でもあります。

性教育講座を行っている「とにかく明るい性教育 パンツの教室協会」代表・のじまなみさんは、「ブラジャーではなく、胸の部分が二重になっているキャミソールでさえ、着るのを嫌がる子はいます」と話します。やはり、そうですか。

「その理由は『皆はまだなのに、私だけなんて嫌』なんです。これは、普段一緒にいる友達と違う行動をして、仲間から外れてしまうのが嫌、ということ。子どもからよく聞きませんか? 『みんな○○を持っているんだから、私も買って』って。それと同じく『まだ皆そんな下着は着ていないんだから、私も着たくない』なんです。体操着に着替える時などにどんな下着を着けているか分かるし、ブラジャーなんて、薄着シーズンは服の上からでも、分かります。思春期の女の子は団結力が強い分、『○○ちゃんだけ、ブラジャーしている』というようなひそひそ話に敏感です。でも、胸が膨らみ始めたら、胸を守るための下着やブラジャーは必要です。

低学年の頃は男女別々に遊んでいても、5~6年生では恋の話も出てきます。そのことを考えても、高学年になったら『女性としての意識を持ってほしい。だから、体を守る下着は必要』ということになります」(のじまさん)

女の子の自分の体への意識は個人差が大きく、同じ学年でも、そういったことにまったく興味がない子もいれば、恋バナに興味津々で、大人のドラマを見るのが楽しみな子もいます。ただ、そんな精神年齢と体の発育状況は必ずしもリンクしないのです。

本人は、無邪気だけど胸は大きく膨らみ始めていて、どう見てもブラジャーをしたほうがよさそう。そんなときに誘導するのに役立つのが、「水着ゾーン」の話なのだそうです。のじまさんは、「いちばん伝えたいのは、『あなたはすくすく成長してこんなにすてきになった。だから、自分で自分の体を守るために水着ゾーンはしっかり隠してほしい』ということです」と言います。

「水着ゾーン」というのは、「プライベートパーツ」のことを子どもにも分かりやすくした言葉です。プライベートパーツとは、外性器とおしり、口、胸のこと。口以外は水着や下着で隠れるパーツという教え方が一般的にされています。

プライベートパーツを大切にすることが、自分を大切にする性教育の大事なポイントであることは伝えてきました。プライベートパーツは、自分以外の人に見せてはいけないし、触らせてはいけない部分。命が生まれるということに関する部分であるし、自分自身のいちばんデリケートな部分だから。そこを隠すのは、恥ずかしい部分だから、汚いから、ではありません。とても大切な自分自身だからです。

のじまさんは、子どもが、自分の体を肯定的に捉えるようにすることがあくまでも大切だと話します。「『あなたの体はすてきな体だね、そしてますますすてきに成長していくんだよ』、ということをしっかり伝えてほしいと思います。中には、まだ大人になりたくない、という思いから、女性としての体になっていくことに抵抗がある子もいるかもしれません。そんなときに、親としては、自分の体を認めて、守れるようになることを教えてほしいと思います。『自分の体なんて、適当に扱われてもしょうがない』などと思わないような声掛けをしてほしいのです」

自分の体の変化についての捉え方について、上地さんは次のように話します。

「女の子の体は胸が膨らむと同時に、だんだん丸みを帯びて、ウエストのくびれもできてきます。大人はそれを、『女性らしい体になってきた』と感じますが、子ども本人は『太った』と感じることが多いです。そこで母親から『最近食べ過ぎなんじゃない?』とか『そんなに食べたら太るわよ』といったことをいわないでほしいのです。第二次性徴期で脂肪がつくのは、主に下腹部からおしり、太ももで、これは子宮を守るためについてくる脂肪です。大人が太るのとは違って、これは成長です。そのことについて否定的な言葉を使わず、肯定的に伝えることで、自分の体の変化には理由があると感じさせてほしいと思います」

ブラに抵抗がある女の子にすすめるときの工夫

さて、下着のステップアップに子どもが抵抗を示す場合、どうしたらよいのでしょうか? のじまさんは、その時こそ、思春期の心理を利用してはと提案します。

「おすすめは友達と一緒に買いに行く作戦です。例えば娘の友達が遊びに来た時に、『今度一緒にブラを買いに行こう』と誘ってみましょう。『みんなと同じ』が安心な年ごろだから、一緒に買い物に行って選んだ『友ブラ』で、一緒にスタートができるのがいいんです。ママ友同士で普段から「こんな作戦で行きたいのだけど」と相談しあっておくといいですよね。

デザインを選ぶときも、かわいらしさを意識すると嫌がられます。母親としてはついピンクやレースのものを、と思いがちですが、色は白やグレーで、シンプルなデザインが意外と子どもは好きだったりします」(のじまさん)

上地さんは、「大人への憧れがある早い時期に選びに行くとよい」と話します。「9歳くらいの、少し早めの年齢から、下着選びを始められるのが理想的です。3~4年生頃だと、大人の女の人への憧れが素直にあって、ママのブラジャーをちょっと着けてみたりとかするんですよね。その頃に、『ママと一緒に買い物に行こう』と誘ってみて、下着を選ぶ習慣ができるといいですね」

この作戦は有効期間が短く、思春期の入り口に立つ10歳くらいになると、だんだんと恥ずかしさが出てきてしまうのだそう。「ブラジャーをつけるのが恥ずかしい、という気持ちと、やっぱり友達と足並みをそろえたいという気持ちが出てくるので、憧れ作戦は効かなくなります。そんなときに提案したいのは、ママ自身の下着を、娘と一緒に買いに行ってみては、ということです。

娘が10歳くらいになると、ママも自分の体形に変化を感じているのはないでしょうか。最後にバストサイズを測ったのはいつでしょう。楽だからと、カップ付きインナーばかり着けていませんか? 卒乳後に着けていたブラジャーもなんとなく合わなくなってきたと思ったら、やはり年齢にあったブラジャーに替える時期なんです。子どものブラジャーを買いに付き添いで行く、というよりも『ママも下着買いたいから一緒についてきて』という誘い方がいいかもしれませんね」(上地さん)

ブラを買うというのは子どもにとっては未知の世界。普段とは違う売り場に、不安を抱いている可能性もあります。そんなとき、人生の先輩のママがサイズを測ってもらい、ブラを選んでいるのを見れば、子どもは安心感を抱き、次は私もという気持ちを持つかもしれません。

さらに上地さんは、「子どものブラジャーを選ぶときは、子ども服を買う感覚で選ばないことがポイントです」とアドバイスします。「親はつい、『百何十センチ』というような身長で区切ってあるサイズ表示で選びがちですが、ステップ2のブラジャーを選ぶ頃からは、トップとアンダー両方のバストサイズを測って買うことをおすすめします。

ちなみに、通常のブラジャーとスポーツブラは別のものです。スポーツブラは、運動することに特化した機能性とデザインの工夫があるものを指します。ブラジャーはスポーツブラ代わりにはならないので、注意してよく選んでほしいですね」(上地さん)

ブラジャーで自分の体を守る2つの意味

ブラジャーを着ける、ということは、大人になっていく自分の体を自分で守ることでもあります。それは、デリケートな部分をやさしく保護するという意味の「守る」と同時に、大切な水着ゾーンだから、無防備に人目にさらされないように「守る」ということでもあります。

生まれてから幼児期までは、お母さん・お父さんが体を守ってあげてきました。でも、いつまでもそばについているわけにはいきません。第二次性徴期を迎え、大人の入り口に立った頃からは、自分で自分の体を大切に守る方法を覚えていく必要があります。これも自立のひとつです。それはある日突然できるようになるわけではないでしょう。胸が少しずつ成長していくように、自分の体の守り方も少しずつ理解していく。それが、初めてのブラジャーを選ぶ時間とリンクできるといいですね。

関川香織
出産・育児ジャーナリスト。1967年生まれ。妊娠・出産・育児のジャンルで書籍・雑誌の編集に20年以上にわたり長く携わってきた。著書に「生理のコト 体のコト 恋のコト 全部知って JC女子力向上BOOK 」(秀和システム)。社会人の息子がいる

(写真<のじまさんの撮影> 花井智子)

[日経DUAL 2019年6月11日付の掲載記事を基に再構成]

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