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廃虚の街や赤字施設が観光地に変貌 19年地方発ヒット

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ヒットの芽はどこに潜んでいるか分からない。耳目を集めるキャッチーな要素をまぶすことで、「お荷物」とされてきたものや場所が、魅力あふれる商品・サービスに変貌するケースもある。それを改めて知らしめたのが、「爆破で街おこし」を旗印に、福岡県筑豊地方で2019年1月に始まった「筑豊アクションプロジェクト」だ。地域に点在する廃虚などを「爆破撮影が可能なロケ地」とアピールし、地域活性化を目指す驚きの取り組みだ。

一般参加者がアクション俳優気分で爆破シーンや銃撃戦を体験・撮影できるイベントを、炭鉱跡地などで3回実施。各回の定員は20人程度ながら、参加者や毎回100人ほどの見物客によってその様子がSNSで発信・拡散されると、たちまち取材が殺到。活動開始から10カ月間で、ドラマやテレビCM、ミュージックビデオなど計17本のロケ誘致に結び付けた。

仕掛け人は、筑豊出身の映像作家・永芳健太氏。3年前に企画を立案。その後、時間をかけて行政、警察・消防、地元企業との協力関係を築いた。現在は、ヘリやモーターボートを使った、より大掛かりな爆破の撮影・体験イベントを企画中。また海外の旅行会社との間でも、インバウンド向けの体験・撮影企画が進んでいる。

「筑豊はかつて炭鉱町だったためか、行政や住民の爆破に対する心理的ハードルが低め。また筑豊に付いて回る『暗い、怖い』などの負のイメージは、むしろ『ハードボイルド』という世界観に転換しやすい。廃虚だらけの街を"アクション撮影のメッカ"に変えた先例は、ブルガリアなどにもある。将来は筑豊をアクション映画産業の一大拠点にしたい」と、永芳氏は意気込む。

静岡県沼津市の愛鷹運動公園にできた複合宿泊施設「イン・ザ・パーク」も、地域資源を生かし、公と民が連携して成果につなげた好例だ。前身は、赤字を垂れ流し続けてきた築50年近い青少年向け宿泊体験施設。地元信用金庫が出資し、建築設計事務所オープン・エーが改修と運営を担当して17年秋にオープン。公園の林の中に、球体のテントが浮かぶように設置されたおしゃれなデザインが評判になり、18年には約6000人が宿泊した。

19年も同程度の宿泊者を見込むほか、9月に実施したオールナイトの映画上映フェスで、一晩で数千人を集客。「公園利用の新たな可能性を示せた」(オープン・エー)。

笑える自虐ネタで集客アップ

令和元年、皇位継承は国民の大きな関心事の一つだった。それに絡み、突如として脚光を浴びた商品が、栃木県宇都宮市の宇都宮酒造が製造する日本酒「四季桜 とちぎの星」だ。原料である同名の米「とちぎの星」が大嘗祭に献上されることが決まった直後から注文が相次ぎ、僅か20日間で720mL瓶7240本分を受注した。

同じく、突然のチャンスに瞬時に反応し、ヒットに結び付けたのが石川県金沢市の北陸製菓。7月、富山県出身のNBAプレーヤー・八村塁のチームメートが同社の揚げ菓子「白えびビーバー」をSNSに投稿。これが話題になっていると察知した同社は、早くも翌日にビーバーのツイッター公式アカウントを開設し、そのSNS投稿を引用した情報を発信。その結果、生産が間に合わないほどの注文が全国から殺到し、北陸限定商品である白えびビーバーの知名度を一躍全国区にした。

遊び心が予想外のヒットにつながった事例もある。高知市のあぜち食品は、「包装業者との雑談中に浮かんだ、ふざけた思い付き」(和田しほこ社長)を基に、「食べられる緩衝材」とパッケージに記したポップコーンを発売。これが多くの「いいね!」を生み、数万個のヒットになった。

自虐を交えた笑いでネットユーザーの心をつかんだのは「姫セン」こと、兵庫県姫路市の「姫路セントラルパーク」。関西の主要都市から約1.5時間以内と「和歌山のアドベンチャーワールドより近いのに、遠いと勘違いされがち」(広報)だった姫センは、誤解を逆手に、「ここは日本一心の距離が遠いサファリパーク」との自虐コピーを掲げたテレビCMを放送。さらに「ライオンと綱引き」などのとぼけた新企画を連発。すると「面白い」との評判が広がり、直後のゴールデンウイークには前年比4割増の7万2000人が来場した。

既成概念を打破した地方発ヒットは「透明醤油」。熊本市のフンドーダイ五葉が開発し、20万本を売り上げた。東京のデザインユニット・goyemonも、和装用のイメージを覆す、スニーカーのエアソールを合体させた洋服に合うせった「雲駄(うんだ)」を開発。海外からの受注も含め2200足を販売した。

東京五輪開催が20年に迫るなか、都心各所で商業施設の整備が進んでいる。「ツオップ カレーパン専門店」は、千葉県松戸市の有名パン店・ツオップが東京駅構内に出店した初支店。同時に、同駅地下1階に20年完成予定の新商業エリアの先行開業店でもある。同店の代名詞である揚げたてのカレーパン2300個が連日完売し、早くも駅ナカの新名物に。JR東日本グループが総力を挙げる新商業エリアに、ツオップクラスの「東京未進出の、地方の名店の味」がいくつ並ぶのか。これからも目が離せない。

●北海道 製造工程見学とお菓子作りを楽しめる白い恋人パーク

17年に75万人を動員した人気施設「白い恋人パーク」が19年7月、体験・参加型のエンタメ施設として増床リニューアル。「白い恋人」の製造工程の見学、菓子作り体験などを楽しめる。リニューアル後の毎月の来館者数は以前の2~3割増で推移する

●青森 リーダー王林の活躍でりんご娘の人気が全国区に

青森のご当地アイドル「りんご娘」。リーダー王林の津軽弁と天然キャラが18年に出演したバラエティー番組で注目され、全国区の知名度を獲得。19年春に初の全国ツアーを開催した。年末の青森ライブの220席は発売後7分で完売。

●秋田 原画目当てに10万人が来館、横手市増田まんが美術館

国内最多22万枚の原画を収蔵するまんが専門美術館が19年5月にリニューアル。74人の作家の直筆原画を常時展示するほか、デジタル原画をパネル画面で鑑賞可能。9月に想定より2カ月早く来館者10万人を突破。

●埼玉 『翔んで埼玉』コラボの十万石まんじゅうが大ウケ

映画『翔んで埼玉』にも登場した、十万石ふくさやの「十万石まんじゅう」のコラボ商品が県民に大ウケ。映画公開から3カ月間、同社の約40支店で、十万石まんじゅう全体の売り上げが前年の同時期から2割も伸びた。

●長野 絶景を求めて続々来場、ハクバ マウンテンハーバー

白馬村岩岳地区の白馬岩岳マウンテンリゾートに18年秋にオープンした、眺望抜群の山頂テラス。その集客効果もあり、19年グリーンシーズン(4~11月)の岩岳地区の観光客数は、17年同時期の2.6万人から12.5万人へと大幅に増える見込み。

●愛知 触れる深海魚を呼び水に竹島水族館が大盛況

笑いを交えて魚の生態を解説する手書きポップや、希少な深海魚に触れる「さわりんぷーる」が起爆剤となり、廃館寸前の狭小水族館が一転大盛況。18年度の年間来場者は過去最高の47万人を記録し、現在も好調を持続。土産菓子の「超グソクムシ煎餅」が1日最大100個売れるなどオリジナル商品も人気だ。

●三重 家族連れの心をわしづかみ、ベビースターのおやつタウン

ベビースターラーメンの工場一体型テーマパーク「おやつタウン」が19年7月、津市に開業。ベビースターの味付け体験や国内最大級の屋内型アスレチック施設が人気。開業43日目で来場10万人を達成。初年度は来場40万人、売上高12億円を目指す。

●和歌山 花粉症に効くとじゃばらパウダーが一時品薄に

県東端の北山村原産の柑橘類・ジャバラの皮を乾燥させたパウダーで、北山村じゃばら村センターが5年前に販売開始。皮に含まれるナリルチンが花粉症に効くと19年3月にテレビで紹介され、一時品薄に。年8000個程度だった販売数は7カ月間で1万3000個にアップ。

●岡山 チケット争奪戦の路面電車おかでんチャギントン

英国のアニメキャラ「チャギントン」を「実車化」した、岡山電気軌道の観光路面電車。JR九州の「ななつ星in九州」の車両デザインも手掛けた水戸岡鋭治氏が内装を担当し、19年3月に運行開始。チケットの抽選倍率は最大8倍にも。

●山口 毎回600個が数日で完売、FLTレモンハート

ハート形になるように栽培した、広島県瀬戸田産の減農薬・ノーワックスのレモンを輪切りにして乾燥し、国産紅茶のティーバッグに同封。15年に販売を始め、ハート形がかわいいと人気が拡大。光浦醸造工業の通販サイトで月2回販売し、平均600個が数日で売り切れる。

●愛媛 変色しにくいチョコブリ、バレンタインを前に完売

チョコの抗酸化成分カカオポリフェノールを与えた、身が変色しにくいブリ。宇和島プロジェクトが県と共同開発した。告知段階で話題となり、2月1日の発売日前に用意した8500匹が受注完売。くら寿司ではバレンタインメニューとして提供された。

(ライター 籏智優子)

[日経トレンディ2019年12月号の記事を再構成]

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