相場の堅調さ映す「続伸日数」 2年前に最長記録株式投資の超キホン 日経平均を知ろう!(14)

このところの日本株相場は堅調となっています。米国と中国の貿易対立が改善に向かうとの見方を支えに、日経平均株価は11月初旬も年初来高値を連日で更新しました。

11月も連日の高値更新

相場の堅調ぶりを示す一つが続伸記録でしょう。11月の日経平均株価は8日まで4営業日続伸でした。10月下旬にも7営業日続伸を記録した期間があり、9月中旬には歴代10位に並ぶ10営業日続伸と、この2カ月間、相場の上昇が持続するようになってきたのが分かります。

ところで、約70年の歴史を持つ日経平均株価でもっとも長く続伸したのはいったいいつ、どのくらいの期間だったのか皆さんはお分かりになりますか。

答えは意外にも最近で2017年10月2日から24日までの16営業日続伸です。この時期は国内でちょうど衆院選がありました。12年末に発足した第2次安倍晋三政権は大規模な金融緩和をはじめとする経済政策を打ち出し、その効果への期待や評価が日本株相場を支えてきました。政権基盤の安定性を確保できるのか、といった点に注目が集まり、与党優勢の見方から相場は堅調になったのです。同じころ、米国内の景気拡大への期待感から米株式市場でダウ工業株30種平均など主要指数が当時の過去最高値を更新していたことも上昇を後押ししたとみられます。

16営業日続伸を記録した時点で日経平均は1996年7月以来、約21年3か月ぶりの水準に戻していました。久しぶりの高値水準にたどり着いたため日本株を売る動きもあり、16営業日続伸の期間中の1営業日平均の上げ幅を単純計算すると90円程度でした。当時の報道を振り返ると、証券業界は「案外静かなムード」(2017年10月25日付日本経済新聞朝刊)と伝えています。

17年10月の衆院選で当選のバラを付ける安倍首相(自民党本部)

続伸記録の歴代2位は高度経済成長期の1960年12月21日から翌61年1月11日までの14営業日連続の上昇です。上昇最終日には終値ベースで初めて1400円台に乗せました。

当時の池田勇人首相は3年間の平均で経済成長率9%を掲げ、「所得倍増計画」を打ち出しました。利下げ実施の思惑もあり、相場は堅調だったのです。岩戸景気にわいた日本経済の力強さもあって、日経平均の続伸記録を見ると50年代後半から61年ごろまで、続伸日数が10日を超えた期間が目立ちます。当時の新聞は「一部の上昇テンポが急であること以外に、市場の内部要因その他にいまのところ悪い材料が見当たらない」(61年1月12日付日本経済新聞朝刊)と報じています。

1960年に国民所得倍増計画を打ち出した池田勇人首相(当時、中央)

歴代3位の続伸記録は88年2月10日から27日までの13営業日続伸です。87年秋には世界的な同時株安「ブラックマンデー」が起き、日経平均株価は87年10月20日の1日だけで前日終値から3836円48銭下げました(この記録は日経平均の歴代下落幅で過去最大です)。ただ、88年2月にはすでにその痛手からは立ち直っており、外国人投資家の日本株買いが相場をけん引していました。88年2月28日付日本経済新聞朝刊によれば「大型株、好業績株の循環買いが続いた」といいます。

続落は15日が最長

反対に、下落期間の最長記録はいつだったのでしょう。こちらは54年4月28日から5月18日までの15営業日続落です。過熱した景気を冷やす目的の金融引き締めが株安につながりました。歴代2位は49年11月14日から29日までの13営業日続落です。「ドッジライン」のもと緊縮財政が影響しました。歴代3位は12営業日続落で、過去に2度あります。スターリン暴落の53年5月21日から6月3日までと、2008年6月19日から7月4日までです。08年と言えば9月にリーマン・ブラザーズの経営破綻が起こった年です。その直前、米国発の金融危機に対する警戒感が強まるなか、原油高がもたらす物価上昇や景気後退を警戒した売りが続いたのでした。

こうした日経平均の記録は日本経済新聞社の指数公式サイト「日経平均プロフィル」のトップ画面で「アーカイブ」を選び、そのなかにある「上昇・下落記録」に進むとさらに詳しい順位を確認できます。長い歴史の日経平均について、続伸や続落の記録を探っていくと、これからの相場を見通しやすくなるかもしれません。

(インデックス事業室 遠藤繁)

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