シワを抑える・黄ばみ取る ドラム式洗濯機の最新機能
衣類を入れたら洗濯から脱水、乾燥まで一気に行ってくれるドラム式洗濯乾燥機。かつては縦型洗濯機に比べると洗浄力が劣るといわれていたが、近年はメーカー独自の洗浄方法により、洗浄力が目覚ましく高まっている。今回は「乾燥時にシワを伸ばす」「衣替えで保管した衣類の白さを保つ」「黄ばみを予防する」といった最新機能に注目し、メーカーの特徴をチェックする。
日立 「風アイロン」でシワを伸ばす
日立グローバルライフソリューションズのドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム BD-NX120E」は、乾燥時に高速風でシワを伸ばす「風アイロン」が特徴だ。
風アイロンは、直径約61センチ、容積約85リットルの大きなドラム槽で衣類を大きく舞上げ、時速約300キロメートルの高速風を衣類に吹きかけて乾燥させる機能。衣類をしっかり伸ばし、そのまま着られる仕上がりにする。
さらに、衣類のシワを伸ばす「スチームアイロン」機能も進化した。スチームアイロンはドラム内を高湿にし、乾いた衣類に高速風を吹きかけることでシワを伸ばす機能で、新モデルはシャツ1枚なら5分、2枚なら10分、4枚なら20分と、従来に比べ短時間でシワが伸ばせるようになっている。
洗濯時は、たっぷりの水を循環させて洗う「ナイアガラ洗浄」を採用。さらにAI(人工知能)が「布量」「水硬度」「水温」「洗剤」「布動き」「汚れの量」「布質」「すすぎ具合」「脱水具合」という9項目から判断を下す「AIお洗濯」機能を搭載。状態に適した洗濯方法で効率よく洗い上げる。
東芝 微細な泡が繊維の奥まできれいに
東芝ライフスタイルのドラム式洗濯乾燥機「ZABOON(ザブーン) TW-127X8」の特徴は、ナノサイズの泡を活用した「ウルトラファインバブル洗浄W」。
超微細なウルトラファインバブルは洗剤を繊維の奥まで届けるため、黄ばみの元となる皮脂汚れや、臭いの原因となる雑菌の栄養源であるたんぱく質汚れを落とす。洗浄力が高いため、衣替えで保管した衣類も白さが保てるという。
さらにすすぎ時には、ウルトラファインバブルが繊維の奥の洗剤残りを取り除き、柔軟剤を繊維の奥まで届けるため、香りや柔らかさが向上する。
パナソニック 温水泡洗浄で黄ばみもオフ
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機「ななめドラム洗濯乾燥機」の特徴は「温水泡洗浄W」。洗剤中の酵素が活性化する温度まで洗剤液を温め、泡にすることで、繊維の奥にしみついた黄ばみや臭いの原因菌を落とす。
普段着の黄ばみ予防に「約40℃おまかせ」コース、白物の除菌に「約60℃おまかせ(除菌)コース」など、温水コースを多彩に用意しているが、11月1日発売の新モデル「NA-VX900AL」では、特に気になる黄ばみを除去する「約40℃つけおきコース」が進化。従来は普段着のみ対応だったが、新モデルは、時間をかけてつけ置きし、やさしく脱水することで、デリケートな素材を使った、いわゆる「おしゃれ着」も洗えるようになった。普段着の洗濯時間は、従来の7時間から3時間と大幅に短縮した(おしゃれ着は7時間)。
シャープ マイクロ高圧洗浄で汚れを飛ばす
シャープのドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機」の特徴は「マイクロ高圧洗浄」。水を100~500マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの微細な水滴にし、毎秒100万個以上高圧噴射する。より頑固な汚れをはじき、繊維の奥の洗剤をしっかり洗い流す。
新モデル「ES-W112」は、シャープ独自のスマートホームサ―ビス「COCORO HOME」と連携し、洗濯機の運転が終了すると、冷蔵庫のドアを開けたときに音声で知らせる。洗濯物は乾燥後、すぐに取り出さないとシワや湿りの原因になるが、キッチンで料理をしていても洗濯終了が分かるので、タイムリーに洗濯物を取り出せる。
白物家電・美容家電を中心に、暮らしにまつわるモノやコトを幅広く取材、執筆するフリーライター。リアルな主婦目線で、日々の家事が楽しく快適になる家電の取り入れ方を積極的に発信する。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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