優秀な人ほど損する? 予測不能なVUCA時代の出世術『VUCA 変化の時代を生き抜く7つの条件』

「出世志向はVUCAの時代にこそ重要」と説く
「出世志向はVUCAの時代にこそ重要」と説く

予測不能といわれる「VUCA(ブーカ=不安定さ、不確実さ、複雑さ、曖昧さ)」の時代には、実力次第で年功序列の壁を飛び越えるチャンスが広がる。グローバルに活躍できるビジネスパーソンに成り上がるには、どんな資質が求められるのだろうか? 今回紹介する『VUCA 変化の時代を生き抜く7つの条件』は世界トップクラスの人事コンサルティング会社で活躍する3人が共同で執筆した「出世の指南書」だ。リーダーを目指す20代、30代にとって、すぐにでも役に立つプロの助言が詰まっている。

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変化への対応力が武器になる

柴田彰氏

世界最大の組織・人事コンサルティング会社として知られるコーン・フェリーに所属する柴田彰氏、岡部雅仁氏、加藤守和氏の3人による共著です。柴田氏は組織・人事コンサルティング部門リーダー、岡部氏はプロダクト部門クライアント ディレクター、加藤氏は組織・人事コンサルティング部門シニア プリンシパルのポストで活躍しています。

本書の狙いは、「読者に自立的なキャリア形成を築くための1歩を踏み出してもらう」ことにあります。なぜ「自立」が重要なのでしょうか――。巻末のエピローグに理由がわかりやすく語られているので、まずはこの部分をご紹介しましょう。

平成の時代は、戦略の優劣や資本力が事業の成否を分けてきたので、活気がない職場でも戦うことができました。
しかし、VUCAの時代に突入したいま、日本企業はグローバル競争に勝ち残るために変化と革新を求められています。
社員は安定と不変を求め、企業と社員の間には大きなギャップが存在します。会社任せの「他責的」な社員が多くを占める企業では、変化と革新は望めません。ビジネスパーソンは現在のVUCAの時代を認識し、自立的なキャリア形成を行っていくことが、個人と組織を強くするのです。
(エピローグ 227~228ページ)

VUCAとは「Volatility(不安定さ)」「Uncertainty(不確実さ)」「Complexity(複雑さ)」「Ambiguity(曖昧さ)」の頭文字からなる造語で、本書では「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難になった時代」と定義しています。そして、VUCAの時代には、日本的な優秀さは通じなくなると断言します。

従来型の日本のエリートは「勤勉は美徳」「努力は報われる」「組織の和を重視する」といった考え方にとらわれてきました。しかし、こうした伝統的な思考は、しばしば「無駄な努力」を生んできました。これからは「正しい努力」ができる人材に成功のチャンスが訪れます。「自らの頭で顧客の成功のために考え抜いて作り上げる努力」こそが、正しい努力です。キーポイントは2つ。まず、自分で考えて課題を見つけること。そして「カスタマーオリエンテッド(顧客満足の重視)」を徹底することです。

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