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原始のマグマのように煮えたぎる 熱々、石器ラーメン

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NIKKEI STYLE

グツグツと煮えたぎるスープからのぞくのは、もちもちとした太い麺に分厚いチャーシュー。食べ終わるまでもうもうと湯気が立ち上る、そんなラーメンを体験できるのは「石器ラーメン」。お好み焼きチェーンの展開で知られた道とん堀(東京・福生市)が、2019年8月29日に東京・高田馬場にオープンした店だ。

長い間スープが熱々に保たれる秘密は、その器。韓国料理の石焼きビビンバなどに使われる石鍋を使っているのだ。石で作られた分厚い器は熱が全体に均等にまわり、なかなか冷めない。「石器ラーメン」ではこれを、300度以上にまで熱してから具材を入れ、客の前でスープを注ぎ入れる。350ミリリットルほどのスープは、「一度に注ぎ入れると、ぐらぐらと沸き上がり器からあふれてしまう」(道とん堀経営企画室ブランド・コミュニケーション担当の吉岡亜紀さん)ため、最初に入れるスープは半量。1分半ほどしてから、残りのスープを加減を見ながら客が継ぎ足す。

使用する器は「石器ラーメン」のため独自に開発したもの。通常は丸みを帯びた器を日本のラーメン丼同様の円すい形とし、平らな底の面積を大きくすることで、スープが器に接する面積が広がるようにした。「この形だと最後までスープを熱々に保てるんです。ラーメン提供時には器に具材と共に、スープと一緒に炊いて味付けしたブタの背脂や、メニューごとに異なる調味料を入れています。これらも熱いスープの対流によって、ちょうどよい具合に混ざり合うんですよ」と吉岡さんは説明する。

星の数ほどラーメン店がある中、「おいしいだけでは当たり前」と、「味覚だけでなく、視覚、臭覚など五感で楽しめるラーメンを作りたい」と考えたのが開発の原点だった。普通のラーメンは、器にスープを注いだ時点から冷め始める。これを、なんとか最後まで熱いまま食べ切れる商品にできないかと頭をひねったところ、思い付いたのが韓国料理で用いる石鍋を器として利用すること。そしてさらに、この器をラーメンのために改良することだった。

アイデアが固まると開発チームはオリジナルの器を作るため、すぐさま韓国に飛んだ。「ソウルの近くに石器工場が立ち並ぶ町があるんです。はしから電話をかけまくって、なんとなく英語が通じたところにアポを取りました。通訳をお願いするため、ネットで現地のガイドさんも探したんです。難しい話じゃないからと、お願いしたのは観光ガイドさん。工場にラーメン丼を持っていき、これを石で作りたいと話したら『大丈夫です』と言ってくれた。帰国して1、2週間後にはサンプルが送られてきました」と、吉岡さんは怒とうの日々を振り返る。

一方、いつまでもスープが熱いということは、食べている間も器の中で調理が進むということ。そこで、最後までおいしく食べられるよう麺やスープを工夫した。麺は、食べ終わるまで伸びないよう太麺とし、加水率を調整。さらに、最適なコシとするため製麺機に通す回数を何度も変え試作したという。同店の基本的なスープの味は「豚骨醤油」。こちらは、味を感じにくい熱々スープでもうまさがしっかり味わえるよう、何種類ものしょうゆで試作を重ねたそうだ。

一番人気の「石器ラーメン」に無料のモヤシの「大盛」を追加してみた。ラーメンが運ばれてくると、「普通の『石器ラーメン』だと、実はモヤシは見えないんですよ」と吉岡さんが言う。器が熱いので、麺が直に接していると「焼き麺」になってしまうため、麺の下にモヤシを敷いているからだ。

ラーメンは、直接器から食べるとやけどしそうに熱いので、添えられた小ぶりの器に麺やスープを移しながら食べる。試食しようとすると、脇から吉岡さんが「一番熱いのはホウレンソウなんで、気を付けてくださいね」と一言。野菜がそんなに熱くなるなんてと不思議に思ったが、スープをたっぷり含むため、これが意外なほど熱々になるのだ。

さて、マイルドな味の「石器ラーメン」以外のメニューは、パンチの効いた辛いラーメンがずらり。

女性人気の高い「マンモスラーメン」は、トウガラシ、サンショウ、黒コショウなどを合わせた「シビ辛ペースト」が入ったラーメン。トウガラシとサンショウの粉も振りかけているので、スープを入れてジュワっと派手な音がした後、もうもうとした湯気で半端ではなく香りが立ち上る。一方「原人ラーメン」は、ピリッとした辛さが特徴の青トウガラシとニンニクが効いたメニューで、男性人気が高いそう。

同店では、ご飯を追加する「追い飯」も無料で、ほとんどの客がこれを頼むというが、「『マンモスラーメン』のスープは、さらに粉チーズをトッピングするとおいしいんです」と吉岡さん。チーズがスープに溶け込むと、まろやかなコクが加わり味の変化が楽しめるのだ。

ちなみに男性客の人気トッピングはチャーシュー。2枚まで追加できるもので、長さがなんと約20センチもある特大サイズ。最初からこれが1枚のったメニューもあり、がっつり3枚のチャーシューがのるラーメンのオーダーも目立つそうだ。

ラインアップには、「10辛」という激辛「氷河ラーメン」も。「1口食べた10秒後にぎゅっと辛さがきて、体が震えます」と同店の男性スタッフが言うシロモノだが、多いときは日に5杯は出るという根強い人気メニューだ。

当初はほとんどが男性客だったが、オープン2カ月で客層が広がり4割が女性客に。ゆくゆくはチェーン展開も視野に入れるが、「急がずじっくりと店を育てていきたい」と吉岡さん。すでに海外からも出店の引き合いがあるといい、原始のマグマのように煮えたぎるラーメンに外国人が舌鼓を打つ日も遠くなさそうだ。

(フリーライター メレンダ千春)

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