Men's Fashion

60代からの再ブレーク 出会いで引き出された新境地

SUITS OF THE YEAR

俳優 草刈正雄さん(上)

2019.11.14

日本経済新聞社デジタル事業 メディアビジネスユニット「NIKKEI STYLE Men’s Fashion」と世界文化社「MEN’S EX」が共催する、「ビジネスや自分のフィールドで情熱を持ってチャレンジし、時代を変えていく才能や志を持つ人」を表彰するアワード「SUITS OF THE YEAR 2019(スーツ・オブ・ザ・イヤー)」。2回目となる授賞式を11月7日(木)PALACE HOTEL TOKYO(東京都千代田区)にて開催しました。それぞれの分野で活躍する受賞者6人の横顔を紹介していきます。




アート&カルチャー部門の受賞者、俳優の草刈正雄さんは10代でモデルデビューし、芝居の道へとすすみました。スポットライトを浴びた時も、人気に陰りが出たときも、人との出会いに刺激を受け、淡々と挑戦を続けてきました。それが60代からの再ブレークにつながったといいます。

「なつぞら」の泰樹おんじ、「真田丸」の真田昌幸…

9月に終了したNHK連続テレビ小説「なつぞら」ではヒロインの祖父、酪農家の柴田泰樹役を好演した。懸命に働き、真っすぐに生きる姿が共感を呼び「泰樹おんじ」と親しまれた。「脚本家の大森寿美男さんが毎日いいセリフを言わせてくれて、役者冥利に尽きます」。視聴者から連日寄せられる「泣けました」といったコメントの数々。「この年になって人からほめられることはうれしい。ハッピーです」。泰樹役は役者人生の中でベストファイブに入る当たり役だったという。

スーツ・オブ・ザ・イヤー2019の受賞については「モデルをやってきたのにプライベートでは『おしゃれオンチ』。とはいえスーツを着ると背筋が伸び、緊張感が何とも言えない」と話す。

「プチブレークの60代」を駆け抜けてきた。2014年に脚本家、三谷幸喜さん作のコメディー「君となら」(再演)の舞台に呼ばれた。役どころは下町の床屋の親父さん。「前の舞台で同じ役を演じていたのは角野卓造さんでした。ぴったりですよね。だから、正直『え? お、俺?』って」。チャレンジングな役だったが三谷さんの巧みな演出でコミカルな「地」が引き出され、ノリノリで演じられた。