ボルボの3代目S60 日本向けデザインのスポーツセダン

2019/12/1
フルモデルチェンジした4ドアセダン「ボルボS60 T5インスクリプション」を試乗した(写真:向後一宏、以下同)
フルモデルチェンジした4ドアセダン「ボルボS60 T5インスクリプション」を試乗した(写真:向後一宏、以下同)
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ボルボのDセグメントセダン「S60」が3代目にフルモデルチェンジ。端正で伸びやかなスタイリングが目を引く新型は、このセグメントをけん引するドイツ勢のモデルにも比肩する、実力派のプレミアムセダンとなっていた。

今や少数派の純然たる4ドアセダン

「8年ぶりのフルチェンジ」というフレーズとともに、昨年(2018年)世界初公開された新しいS60。2000年デビューの初代から数えると3代目となる新型は、歴代モデルと同様、SUV全盛の今となってはむしろ少数派となる純然たるセダンボディーの持ち主だ。

そんな新型S60ならではの話題としては、このモデルが「完成したばかりのアメリカ工場でのみ生産され、現行のボルボラインナップでは唯一、一切のディーゼルバージョンを持たないモデル」という点も挙げられる。

世界的にユーザーのSUV志向が高まりつつある中で、それでも市場の規模が巨大であるゆえに、まだ少なくないセダン需要が見込めるアメリカ。一方、そんなかの地は同時に、ディーゼル乗用車の見るべきマーケットがほとんど存在しないというのも特徴だ。かくして新しいS60は、「販売する場所で製造を行う」というボルボのグローバル戦略に基づいて、ディーゼル抜きのバリエーションが、アメリカで生産されるに至っている。

3代目となる新型は2018年6月に世界初公開。米サウスカロライナ州に新設された工場で生産されている

日本に向けてはまず、エントリーモデルである「T4モメンタム」と上級装備モデルの「T5インスクリプション」という、2リッターのターボ付き4気筒ユニットを8段ステップATと組み合わせて搭載する、2タイプのガソリンエンジンFFモデルを導入。そして、やはり4気筒ターボながらメカニカルスーパーチャージャーも加えてより高出力を発するガソリンエンジンを、後輪をモーターで駆動する4WD方式のプラグインハイブリッドシステムと組み合わせた「T6 Twin Engine AWDインスクリプション」も投入される。日本未導入の「T8 Twin Engine AWD R-DESIGN」をベースに、シャシーや内外装に専用チューニングを施したトップグレード「T8ポールスターエンジニアード」が30台の限定で販売されることも発表済みだ。

そうした中から今回は、いち早く上陸を果たしたT5インスクリプションをテストドライブ。こちらに搭載されるエンジンは、一部ソフトウエア等の変更によって、ベーシックなT4用よりも最高出力が64PS、最大トルクが50N・m上乗せされている。

人目を引く伸びやかで端正なフォルム

最新の4ドアセダンでありながら、昨今流行のルーフラインからテールエンドまでをワンモーションのフォルムで描いた“クーペルック”とはあえて距離を置く、リアウィンドウとトランクリッドの間に明確な“折れ線”を差し込んだノッチバックの基本フォルムを採用しながらも、決して古臭い印象には陥らず、端正でありつつもスラリと流麗で新鮮なプロポーションを成立させている点は、新型S60のデザインの妙というべきポイントだ。

同時に、パワーパック横置きのFFレイアウトをベースとしながら、「実はこれってFRベース」と紹介されたとしても、思わず納得しそうになる伸びやかさも、現行「XC90」以降に登場した新世代ボルボに共通する“見せ場”のひとつである。

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