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ボルボの3代目S60 日本向けデザインのスポーツセダン

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ボルボのDセグメントセダン「S60」が3代目にフルモデルチェンジ。端正で伸びやかなスタイリングが目を引く新型は、このセグメントをけん引するドイツ勢のモデルにも比肩する、実力派のプレミアムセダンとなっていた。

今や少数派の純然たる4ドアセダン

「8年ぶりのフルチェンジ」というフレーズとともに、昨年(2018年)世界初公開された新しいS60。2000年デビューの初代から数えると3代目となる新型は、歴代モデルと同様、SUV全盛の今となってはむしろ少数派となる純然たるセダンボディーの持ち主だ。

そんな新型S60ならではの話題としては、このモデルが「完成したばかりのアメリカ工場でのみ生産され、現行のボルボラインナップでは唯一、一切のディーゼルバージョンを持たないモデル」という点も挙げられる。

世界的にユーザーのSUV志向が高まりつつある中で、それでも市場の規模が巨大であるゆえに、まだ少なくないセダン需要が見込めるアメリカ。一方、そんなかの地は同時に、ディーゼル乗用車の見るべきマーケットがほとんど存在しないというのも特徴だ。かくして新しいS60は、「販売する場所で製造を行う」というボルボのグローバル戦略に基づいて、ディーゼル抜きのバリエーションが、アメリカで生産されるに至っている。

日本に向けてはまず、エントリーモデルである「T4モメンタム」と上級装備モデルの「T5インスクリプション」という、2リッターのターボ付き4気筒ユニットを8段ステップATと組み合わせて搭載する、2タイプのガソリンエンジンFFモデルを導入。そして、やはり4気筒ターボながらメカニカルスーパーチャージャーも加えてより高出力を発するガソリンエンジンを、後輪をモーターで駆動する4WD方式のプラグインハイブリッドシステムと組み合わせた「T6 Twin Engine AWDインスクリプション」も投入される。日本未導入の「T8 Twin Engine AWD R-DESIGN」をベースに、シャシーや内外装に専用チューニングを施したトップグレード「T8ポールスターエンジニアード」が30台の限定で販売されることも発表済みだ。

そうした中から今回は、いち早く上陸を果たしたT5インスクリプションをテストドライブ。こちらに搭載されるエンジンは、一部ソフトウエア等の変更によって、ベーシックなT4用よりも最高出力が64PS、最大トルクが50N・m上乗せされている。

人目を引く伸びやかで端正なフォルム

最新の4ドアセダンでありながら、昨今流行のルーフラインからテールエンドまでをワンモーションのフォルムで描いた"クーペルック"とはあえて距離を置く、リアウィンドウとトランクリッドの間に明確な"折れ線"を差し込んだノッチバックの基本フォルムを採用しながらも、決して古臭い印象には陥らず、端正でありつつもスラリと流麗で新鮮なプロポーションを成立させている点は、新型S60のデザインの妙というべきポイントだ。

同時に、パワーパック横置きのFFレイアウトをベースとしながら、「実はこれってFRベース」と紹介されたとしても、思わず納得しそうになる伸びやかさも、現行「XC90」以降に登場した新世代ボルボに共通する"見せ場"のひとつである。

そうしたスタイリッシュさの一因が、従来型比で125mm増しの全長と、同じく100mm増しのホイールベースにもあるのは間違いない。その一方で、先に発売されているステーションワゴン版の「V60」と同様に、「日本市場からの声も踏まえて決定された」という従来型比-15mmの全幅も注目すべきポイントだ。日本固有ともいえるパレット式立体駐車場の中には、いまだ幅方向の許容サイズが「1850mmまで」と規定されている場所が少なくない。従来型の場合には、全幅がそれを超えるために購入希望のユーザーが車庫証明を取得できなかったという問題が、少なからず発生していたという。

もちろん、それでも新しいS60がもはや"手ごろ"といえる大きさに当てはまらないのは事実。が、T4モメンタムで5.5m、それ以外のグレードでは5.7mという最小回転半径の値も含めて、「全長が20cm以上も長い『S90』ではさすがに大き過ぎるが、『メルセデス・ベンツCクラス』や『BMW 3シリーズ セダン』よりわずかに大きい程度なら、何とかなりそう」と考える人は少なくないだろう。

インテリアはまさにスカンジナビアンデザイン

もっとも、実をいえば2017年に登場したS90は、今や日本のラインナップには存在せず、新しいS60は「現在のボルボでは唯一のセダン」と紹介すべきモデルでもある。現行のS90は、デビュー当初にスウェーデン生産の500台が日本に導入されると、生産工場が中国へと移管。イメージ戦略上の理由からか、この新工場で生産されたモデルは導入されないこととなっており、日本では早くも"絶版"となってしまったのだ。

恐らくは、最新設備が整った中国工場製のモデルでも品質に問題はないと思われるが、そもそも大型のセダンゆえ多くの販売台数が見込めないとなれば、こうした判断もやむを得ないだろう。ボルボという自動車メーカーが中国資本の傘下となったことによる、これが日本における初の影響といえる事柄かもしれない。

一方、こちらは世界にデリバリーされる全量が"アメリカ製"となるS60だが、いざ乗り込んでみれば、そうした複雑な事情を意識させるポイントなどひとつもない。そのインテリアは徹底してシンプルでクリーン。V60と共通の仕上がりは、なるほど「スカンジナビアンデザイン」というフレーズが何ともしっくりくる。

一方で、そうしたモダンなインテリアづくりの要ともいえる、多数の機能のコントローラーを大型ディスプレイ内へと入れ込んだボルボ独自のマルチメディアシステム「センサス」の操作性が、階層深くに沈んだアイコンを呼び出す必要などから使い勝手がむしろ煩雑になっている点は、今後の早期の改良を期待したい。

例えば、初めて扱う場合には、多くの人がナビゲーションシステムでの目的地設定にすら大変な苦労をすること間違いナシ。触感での入力確認が行えないため、操作時には目視が不可欠である点なども、時にボルボの"社是"であるはずの安全性の高さに対して、相反する印象が認められてしまうからである。

動力性能に不満はないが

およそ1.7tの車両重量に対して254PSの最高出力と350N・mの最大トルクは、額面の上では「十分な大きさ」と思えるスペック。実際、ターボブーストがしっかり効いた回転域であれば、アクセル操作に対する加速力の余裕は「2リッターの排気量を忘れさせる」と表現しても過言ではない。

一方、1年ほど前に国際試乗会で得られた経験を振り返ってみると、そこで乗った「T6 Twin Engine」に対して見劣りするのは、主に静止状態からの蹴り出しの力強さだ。スタートの瞬間から大きなトルクを発するモーター駆動と、低回転域から有効なブースト圧を立ち上げるメカニカルスーパーチャージャーの併用が、大幅な重量増をはね返して余りあるという印象。端的に言うと、今回乗ったT5インスクリプションでは、走り始めの一瞬に、やはりある程度の"重さ"を意識させられる。

また、速度が大きく落ち込むタイトコーナーからの立ち上がりなどで、たびたび「あったらいいのに」と思えたのは、オプションとしても用意されないシフトパドル。アクセルの踏み込みによってキックダウンを誘発するまでもなく、すでに減速時から次の立ち上がり加速のためのシフトダウンをシフトパドルで行えれば、よりスムーズに、そして燃費面でも有利に走れそうなのに……と思える場面に少なからず遭遇したからだ。

ドイツ御三家に比肩する実力の持ち主

今回のモデルは、ガラスサンルーフや人工皮革仕上げのダッシュボード、そして標準比で+1インチとなる19インチ径のタイヤ&ホイールなどからなる「プラス・パッケージ」をオプション装着。それもあってか、コーナーへのターンインから予想以上にダイレクト感に富み、「スポーティー」と表現しても過言ではないハンドリング感覚を味わわせてくれた。一方、乗り味はややかため。快適性重視ならば、「プラス・パッケージなしに軍配が上がるのでは」とも思うことになった。

興味深かったのは、12万円でオプション設定される電子制御式の可変減衰力ダンパー「FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー」付きとそうでない仕様とでは、むしろ後者に好感を抱いたという事実。ワインディングロードを中心とする、1人乗り状態を基本とした印象という注釈は付くものの、フリクションが排除されたサスペンションのストローク感や路面凹凸に対する追従性などで、より好ましいテイストが得られる結果となった。

いずれにしても確かなのは、新型S60がCクラスに3シリーズ、そして「アウディA4」という従来の欧州御三家セダンに鋭く切り込むに足る実力の持ち主であるということ。少なくとも、エモーショナルなルックスのセダンという点においては、今のところ右に出る者のない存在である。

(ライター 河村康彦)

テスト車のデータ


ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4760×1850×1435mm
ホイールベース:2870mm
車重:1680kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:254PS(187kW)/5500rpm
最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/1500-4800rpm
タイヤ:(前)235/40R19 96W XL/(後)235/40R19 96W XL(コンチネンタル・プレミアムコンタクト6)
燃費:12.9km/リッター(JC08モード)
価格:614万円/テスト車=709万2000円
オプション装備:メタリックペイント<ベブルグレー・メタリック>(9万2000円)/プラス・パッケージ<チルトアップ機構付き電動パノラマガラスサンルーフ+ステアリングホイールヒーター+リアシートヒーター+テイラード・ダッシュボード[人工皮革仕上げ]+19インチ・5ダブルスポーク 8.0J×19 ダイヤモンドカット/ブラック>(41万円)/ドライビングモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシー(12万円)/Bowers & Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステム<1100W/15スピーカー、サブウーファー付き>(33万円)

[webCG 2019年10月31日の記事を再構成]

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