ここは異星かSFの世界? 地球の奇観のリアル
私たち人間にとっては居住不可能な場所でも、地球外生命なら生きる道を見出すかもしれない。火山湖や酸性の水たまり、乾燥した盆地、地下洞窟。どれも生物が暮らすのには適さない場所だ。では、火星や氷の衛星エウロパはどうだろう? いつかきっと、答えがわかる日が来るはずだ。
生命がどのように誕生、進化、繁栄するかを理解し、太陽系のほかの場所で生命を見つけられる確率を高めるため、科学者たちは、地球で最も過酷な環境に存在する生命に目を向けている。地球上で最も暑い場所、暗い場所、乾燥した場所、酸性度が高い場所、塩分が多い場所などを訪れ、そこに何が存在するかを確かめているのだ。
ここで紹介するのは、わざわざ宇宙に行かなくても、地球上で異世界を体験できる場所だ。科学者たちは、火星やその先に送り込む探査車をテストする際、北極圏や米国カリフォルニア州の砂漠を目指す。技術者たちは地球外の海を探査するという難題に取り組む際、極地の冷たい水に潜水艇を投入する。地球外生命を探すなかで、地球を異世界に見立てることがあるのだ。
次ページでも、にわかには同じ地球と思えない、選りすぐりの奇観をご覧いただこう。
(文 NADIA DRAKE、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2019年10月27日付記事を再構成]
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