きれい・すごい・びっくり 顕微鏡写真の受賞作20点

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/11/17
ナショナルジオグラフィック日本版

2019年の最優秀作品は、蛍光色素で色づけされたカメの子。顕微鏡技術者のテレサ・ズゴダ氏、米ロチェスター工科大学を卒業したばかりのテレサ・クグラー氏が何百枚もの画像を重ね、モザイクのようにつなぎ合わせた力作だ(IMAGE BY TERESA ZGODA AND TERESA KUGLER)

17世紀「微生物学の父」と言われるオランダのレーウェンフックが自作の顕微鏡で細菌を観察して以来、顕微鏡は人々を魅了し、そして基礎科学を発展させてきた。レーウェンフックは自ら研磨したレンズを通して藻類、血液細胞、筋繊維などを観察し、ときにはその繊細な形をスケッチしてみせた。

現代の顕微鏡ははるかに高性能になっている。コンピューター処理、蛍光のタグ付けといった最新ツールを搭載し、小さなものを驚くほど精細に観察、撮影できる。しかし、レーウェンフックの時代から300年以上がたっても、1つだけ変わらないことがある。自然界の細部に宿る、計り知れない美しさだ。

淡水に生息する単細胞の原生生物ラッパムシ。立体的な形を強調するために色分けが行われている。米ハワード・ヒューズ医学研究所の研究員イゴール・シワノビッチ氏による作品(IMAGE BY IGOR SIWANOWICZ, HOWARD HUGHES MEDICAL INSTITUTE (HHMI) JANELIA RESEARCH CAMPUS)

1974年に始まった「ニコン・スモール・ワールド」コンテストは、顕微鏡写真の進歩をたたえ続け、今年で45回目を数える。45年目を迎えた今回のコンテストでは、100カ国以上の科学者たちから2000点以上の応募があった。

最優秀賞に選ばれたテレサ・クグラー氏はこう述べている。「顕微鏡をのぞけば、世界の最も小さな構成単位である微生物に焦点を当てることができます。そして、ほとんど気付かれることのない小さなものたちをゆっくり鑑賞できます」

恐竜の誕生? いや、これはワニの胚だ。米エール大学の大学院生ダニエル・スミス・パレデス氏と指導教員のバハルト・アンジャン・ブラー氏は、ワニの胚に免疫蛍光染色を施して撮影した。成長中の神経と骨がはっきりわかる(IMAGE BY DANIEL SMITH PAREDES AND BHART-ANJAN S. BHULLAR, YALE UNIVERSITY, DEPARTMENT OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS)

次ページでも、20の入賞作品の続きをご覧いただこう。私たちが普段知らないミクロの世界にひき込まれるはずだ。

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