「最後はやる」ってやらないの? 誤解しやすいlastデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(23)last

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「最後の」という意味を持つ単語lastがテーマです。

◇  ◇  ◇

ユウカとスティーブが働いている部署では、いくつかの会社から見積もりを取り、どこと契約したらよいかを検討しています。スティーブはある会社の見積もり額が高すぎることを気にしているのですが、ユウカはその会社が質のよい仕事をするかもしれないと言いました。彼女の考えにスティーブが傾いていると考えたユウカは、その会社との契約に進もうとしたものの、どうやら早合点だったようで……。

それはこんな会話でした。

Steve: So, which company should we sign with?
Yuka: How about ABC?
Steve: Their estimate was far too expensive.
Yuka: Yes, but they may have good quality.
Steve: Well, the last thing we need is to contract with them.
Yuka: Okay. Let's call ABC. The sooner, the better.
Steve: What? Why?
Yuka: We'll decide to contract with them in the end, right?
Steve: No way!

日本語に訳すと次のようになります。

スティーブ:それで、どの会社と契約したらいいかな?
ユウカ:ABC社はどう?
スティーブ:彼らの出してきた見積もりは高すぎだよ。
ユウカ:ええ、でも質はよいのかも。
スティーブ:うーん、最も不要なのは彼らとの契約だな。
ユウカ:わかった。ABC社に電話しましょう。早い方がいいわ。
スティーブ:なんだって? どうして?
ユウカ:結局、彼らと契約することにするんでしょ?
スティーブ:とんでもない!

英語ではときに、おどけたような言い回しを用います。そのため、日本人がその表現を文字通りに受け取ってしまうと、とんでもない誤解につながる場合があります。同僚スティーブの言ったWell, the last thing we need is to contract with them.という発言を聞いたときのユウカもそうでした。

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧