16連休導入で業績急回復 ジャパネットの働き方改革高田旭人ジャパネットホールディングス社長(上)

2019/11/20
1979年長崎県生まれ。東京大学卒業後、証券会社を経て、ジャパネットたかた入社。コールセンター部門、物流部門の責任者などを経て、2012年にジャパネットたかた副社長、15年1月にジャパネットホールディングス社長に就任(写真:稲垣純也、以下同)
1979年長崎県生まれ。東京大学卒業後、証券会社を経て、ジャパネットたかた入社。コールセンター部門、物流部門の責任者などを経て、2012年にジャパネットたかた副社長、15年1月にジャパネットホールディングス社長に就任(写真:稲垣純也、以下同)

テレビショッピングでおなじみの「ジャパネットたかた」。テレビ画面で印象的だった高田明氏の後を継ぎ、2015年に高田旭人氏がジャパネットホールディングスの社長に就任。働き方の見直しを含む経営改革を実施、一時低迷していた企業業績を伸ばし続けている。高田社長に取り組みについて聞いた。

「昭和のモーレツ」から「楽して成果を上げる」へ

白河桃子さん(以下敬称略) 「ジャパネットたかた」という社名からパッと浮かぶのは、高い声が印象的だったお父様(前社長の高田明氏)です。そのお父様から社長職を継がれて以来、独自の働き方改革を積極的に推進され、増収増益を更新しているとのこと。特に驚いたのは、「16連休」が取得可能な休暇制度の導入です。かなり思い切った施策だと思うのですが、なぜ社員を休ませようと思うに至ったのですか。

高田旭人社長(以下敬称略) 注目いただき、ありがとうございます。スーパーリフレッシュ休暇制度の導入に関しては、「休ませよう」と発想したというより、より健康的で生産性が高い働き方を追求した結果でしかないんです。世の中には働き方改革が「目的化」してしまっている会社が多いように思います。うちはあくまで手段としか考えていません。

私自身が自分の経験を振り返ったときに、例えば受験勉強でもがむしゃらに気合だけで頑張っていた時期を経て、「やり方次第でもっと効率よく勉強できるな」と気づいたことがあったんです。いい意味で「楽して成果を上げる」という発想が、まだまだ日本には足りない気がします。社会に出て仕事をするようになると、さらにムダがあちこちに転がっていることに気づき、疑問を持ったことが出発点です。

白河桃子さん

白河 お父様は猛烈に働く創業者というイメージがあるので、きっと社内の雰囲気も長時間労働を奨励する雰囲気があったのではないでしょうか。

高田 まさに昭和のムードで一体となって働く雰囲気はありましたね。創業期から成長発展するフェーズではそれが必要かつ正しかったと思いますし、その踏ん張りがなければ今の当社はなかったはずです。一方で、私自身としては「これではちょっともたないな」という感覚がありました。

白河 持続可能じゃないということですよね。16連休の前段階として、まず9連休のリフレッシュ休暇制度やノー残業デーの制度を導入されたそうですね。ただ、御社は熱心な社員の方も多く、「休むなんてとんでもない!」という声もあがったと聞きました。

高田 そうですね。長年の働き方のクセがついていますので、「無理じゃない?」という反応はありました。社長に就任してすぐに「毎週水曜をノー残業デーにします。それから水曜以外も午後10時以降には会社にいてはダメです」と言ったとき、社内がザワッとしたのを覚えています。

その反応に驚いて、理解を得るためのロジックを考えました。年間の労働時間から計算すると、うち4%のムダを削ったら1週間休める。土日をくっつけて9日間。それで9連休のリフレッシュ休暇制度を導入したのですが、また「9連休も」とザワつきました。「4%って1日当たり十数分だよ。パソコンも新しくなったし、整理しないといけない資料も減らしたでしょう。削れるんじゃない?」と問いかけました。