適齢期は50代前半 定年後の準備、早めがいい理由経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
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最近は「定活」という言葉が注目されています。定活とは「定年前活動」すなわち定年後に楽しく働いたり豊かな生活をおくったりできるよう、定年前からさまざまな準備活動をしておくことです。こうした定年に向けた準備を始めるのはいつ頃からがいいのでしょうか。私の経験からずばり結論を言うと、52~55歳ぐらいに始めるのがベストだと思います。

多くの会社ではこうした定活のためにセミナーを開催しています。「セカンドライフセミナー」や「ライフプランセミナー」など名称は様々ですが、内容はほとんど定年後に向けて考えておくべきことを外部から講師を招いて開催するというパターンです。私も企業でのライフプランセミナーに講師として招かれることが年間30回近くありますので、参加するみなさんの反応はよくわかります。

多くの場合、最初は「一体何をするのだろう」という疑心暗鬼の様子だった参加者が、セミナーの終わる頃にはホッとしたような表情になっていきます。「今まで定年後を心配していたけど、実体験を聞いて少し安心した」「これからやるべきことがおぼろげながら見えてきた」という具合に少なからず安心感を持っていただけるのは講師としてもうれしいものです。

40代は働き盛り

ところがセミナーの感想などを聞いたアンケートの結果を見ると、多くの企業で「こういう話をもっと早くから聞きたかった」「50歳を過ぎてから聞いても遅い」といった意見が結構出てきます。そこで企業の人事や研修の担当者の方からは「こうしたセミナーは45歳ぐらいから実施した方がいいのではないか」と相談を受けることもあります。そんなとき、私はいつも「いや、50代に入ってからでいいでしょう。40代でやってもあまり意味はありませんよ」と答えるようにしています。その理由は一体どうしてなのでしょうか。

確かに老後に向けた準備は早ければ早い方がいいというのはその通りです。しかしながら会社員人生で40代というのは多くの場合、最も脂の乗り切った年代であり、昇進に向けた最後の勝負の時期です。そんなときに定年後の話を聞かされても、あまり役に立ちません。

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