適齢期は50代前半 定年後の準備、早めがいい理由経済コラムニスト 大江英樹

人は多くの場合、過ぎ去ったことを後悔する傾向がありますから、50代になって話を聞くと「ああ、もっと早くから聞きたかった」と思うものです。ところが実際に40代でこうしたセミナーを受講した場合、そのときは「いい話を聞いた」と思っても翌日になると大体忘れてしまいます。でもそれは当たり前です。日々の仕事に打ち込んで頑張っている時期にそんな先の話を聞いてもすぐに実践する気にはならないからです。

多くの会社において、50代に入ってくると昇進レースは「勝負あった」となる人が大半でしょう。この年代から頑張っても会社での地位が上に行く可能性はほとんどなくなっています。でも会社人生で勝負が付いても自分の人生ではまだこれからです。いつまでも会社での地位にこだわるのではなく、将来の新しい生活に向けて準備を始めるべきなのです。

50代前半、早めの準備が無難

定活で何をするべきかについては、人それぞれなので一概には言えません。ただし多くの人に当てはまりそうなポイントとして(1)自分がやりたいことを明確にする(2)友人の幅を広げておく(3)健康を維持する――の3つが挙げられます(詳しくは当コラム2019年1月24日付「楽しい定年生活の極意 退職前にやりたいことを決める」)。いずれもある程度時間がかかることですし、会社人生の先が見えたとはいっても現役の間は仕事が忙しいでしょう。余裕を持って準備をするという意味でも50代前半から始めるのが最も適していると思います。

もちろん55歳を超えていても別に焦る必要はありません。人から「定年後の準備はしておくべきだ」と言われてもなかなか実感は湧かないものですが、誰でも自分で本当に必要性を認識すれば準備は一気に進みやすいからです。

ただし、早めに始めておく方が無難なようです。私自身でいえば50代での定活はほとんどやっていませんでした。定年後に独立しようと決心したのは定年の直前だったからです。60歳で会社を辞めて事業を始め、1~2年で軌道に乗せることができましたが、それまではほとんど仕事がなく、まず人脈を作ることに多くの時間を割きました。今から振り返るともう少し早くから準備をしておけば良かったというのが実感です。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は11月28日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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