「米国を諦めない」 ハーバードが追う亀田製菓の気概ハーバードビジネススクール教授 エリー・オフェク氏(中)

「アメリカ市場をあきらめない」

私が教材を執筆するために、亀田製菓の本社を訪問したのは2016年。当時、「亀田の柿の種 発売50周年記念キャンペーン」の真っ最中でした。社員の皆さんは、おそろいのジャケットを着ていて、社内はお祝いムード一色でした。「亀田の柿の種」が亀田製菓にとっては特別な商品であることが感じられました。

田中通泰会長にもインタビューさせていただきましたが、「アメリカ市場をあきらめない」という気概を感じました。というのも、亀田製菓の役員・社員には「柿の種は体に良い素晴らしい食品だ」という信念があるからです。そうでなければ、日本で50年以上も人気を集めていないでしょう。

佐藤 今後、亀田製菓はアメリカでどのようなマーケティング戦略を実施していくと思いますか。

オフェク 私が知る限り、19年現在、亀田製菓は、スーパーマーケットのプライベートブランドや買収したメアリーズ・ゴーン・クラッカーズと協業しながら、アメリカ事業を立て直そうとしています。その一方でもう一度、亀田ブランドで勝負をするタイミングも模索していると思います。

私も引き続き、授業で亀田製菓のアメリカ市場への挑戦について教えていくつもりです。亀田製菓のケースは、結果がわかっている大昔の話ではなく、今、まさに継続している事例なので、毎回、内容が変化していて教えるのが楽しいからです。授業には、亀田製菓のアメリカ子会社「カメダUSA」の役員に来てもらい、最新情報を提供していただいています。

この教材はマーケティング戦略、グローバルマーケティング、消費者行動など、様々なことを教えられるのでとても重宝しています。これからもたくさん試食して、たくさんマーケティングを学べる授業にしていきたいと思っています。

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エリー・オフェク Elie Ofek
ハーバードビジネススクール教授。専門はマーケティング。技術主導型企業および消費者志向型企業における新商品開発戦略を主に研究。マーケティングに関する教材を多数執筆し、「シャトー・マルゴー:第3のワインを売り出す」は、2019年ケースセンター賞を受賞。主な著書に「Innovation Equity: Assessing and Managing the Monetary Value of New Products and Services.」(共著、University of Chicago Press)。

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