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ハーバードビジネススクール (c)Susan Young for Harvard Business School

ハーバードビジネススクール (c)Susan Young for Harvard Business School

世界トップクラスの経営大学院、ハーバードビジネススクール。その教材には、日本企業の事例が数多く登場する。取り上げられた企業も、グローバル企業からベンチャー企業、エンターテインメントビジネスまで幅広い。日本企業のどこが注目されているのか。作家・コンサルタントの佐藤智恵氏によるハーバードビジネススクール教授陣へのインタビューをシリーズで掲載する。亀田製菓の米国市場への挑戦を教材にしたエリー・オフェク教授は、食品や飲料の異文化市場へのマーケティングについて独自の見方を示す。

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佐藤 オフェク教授はハーバードビジネススクールの授業で、亀田製菓のアメリカ進出の事例を取り上げています。授業では、近年、アメリカ市場に進出して成功した食品や飲料についても教えていると聞きましたが、日本企業に参考になるような事例をいくつかご紹介いただけませんか。

伊藤園「お~いお茶」の成功

オフェク 代表的なのは伊藤園の「お~いお茶」と、ひよこ豆のディップ「フムス」でしょう。「お~いお茶」は、「自然」「健康」「安全」を強調した宣伝戦略で、ニューヨークやサンフランシスコの富裕層に訴求し、人気に火がつきました。今、グーグルやツイッターの本社では、カフェテリアに「お~いお茶」が常備してあるそうです。

ハーバードビジネススクール教授 エリー・オフェク氏

ハーバードビジネススクール教授 エリー・オフェク氏

「フムス」は、地中海地方でピタブレッドと一緒に食べられていた伝統的なディップです。ひよこ豆、生ごまペースト、オリーブオイル、レモン汁、塩、にんにくなどが主な原料です。10~15年ぐらい前までは全く知られていませんでしたが、いまや誰でも知っているほどの人気健康食品になりました。スーパーマーケットにはフムスのコーナーがあるくらいです。フムスは、ニッチカテゴリーから主要カテゴリーに成長し、現在十億ドル規模の市場になっています。

この成長をけん引したのが、サブラ・ディッピング・カンパニーという米国企業です。最初に行ったのが大規模な店頭試食キャンペーンです。まずは食べてもらわないと、どんな食品かわからないからです。その上で、スーパーマーケットの中のどのカテゴリーのどの棚においてもらうか、販売戦略を練り、宣伝メッセージを考えていきました。

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