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メインの平台中央には、中国のプラットフォーマーを巡る本が並ぶ(リブロ汐留シオサイト店)

メインの平台中央には、中国のプラットフォーマーを巡る本が並ぶ(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。前回、東京・大手町の書店の売れ筋として紹介した『2050年のメディア』がここ汐留でも快進撃を続けている。そんな中、書店員が注目したのは、中国のデジタルプラットフォーマー、アリババのビジネスモデルを同社の前最高戦略責任者が自ら解き明かした一冊だった。

INSEADからマー氏がスカウト

その本はミン・ゾン『アリババ 世界最強のスマートビジネス』(土方奈美訳、文芸春秋)。著者のゾン氏は欧州トップクラスの経営大学院、INSEADで准教授を務めていた2006年、アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏にスカウトされ、最高戦略責任者にあたる総参謀長に就き、以後17年までマー氏の戦略アドバイザーとして戦略構築を支えた。マー氏が寄せた序文によれば、その経験をもとに「アリババが先鞭(せんべん)をつけた新たな理論的枠組みと、それが今後の世界においてどのような意味を持つか」をまとめたのが本書だ。

序章は今や史上最大のショッピングイベントへと育った「独身の日」(11月11日)の、2017年の印象的な場面から始まる。開始わずか11秒で1億元(約15億円)の売り上げを処理し、ピーク時には毎秒32万5千件の注文と25万6千件の決済を処理したアリババのプラットフォーム。その日のうちに8億1200万個の荷物が配送業者によって出荷された。最終的にアリババはこの日、15億件、総額1682億元(約2兆5千億円)の取引を処理した。

テクノロジーでプレーヤーを結ぶ

どうしてこのようなことが可能なのか。そこには、新たなテクノロジーを使って必要なプレーヤー(買い手、売り手、サービスプロバイダー)をすべて結び、産業のあり方を変える戦略が存在していると著者はいう。この戦略が著者のいう「スマートビジネス」だ。アリババという実例に沿いながらこの戦略を綿密に分析することで、本書はそのスマートビジネスとは何かを、構成する要素、技術、戦略、組織と順を追ってあぶり出していく。

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